山椿


ここのところ暖かい日が続いていたせいか、山椿がいっせいに開いている。


以前、運動でよく走っていた林道からかすかに滝らしきものが見えていて、今まで気になっていたが、今回ようやくその滝を間近に見ることができた。

2009年3月26日 撮影

新緑と山櫻

3月下旬から20日ばかりの間に、6回ほど三郎の岩道窪に通い、この土曜日にようやく自分なりのルートで大滝 F1を登った。登りきった滝の落ち口に立って、向かいの山腹を見ると、もう芽吹きの季節となってしまっていた。

これからの時期、戸倉の沢は、緑が濃くなり、昼なお暗い雰囲気となる。 うっとうしいブヨも出てきた。・・晩秋ぐらいまで、ここら辺の沢ともおさらばとなる。

もう3ヶ月近く多摩川水源の山々に出かけていない、こんど独りで気ままに出かけようと思っている。

知り合いに、ハセツネ30kの応援に来い!といわれている。
応援のほうは、青梅高水で行ったし、アドバイス的なものはもう、十分にあれこれ書いたから、よいのではないかなとは思う、もっとも、知り合いの顔を見るのもよいかもしれないが・・。

このレースが終わったら、しばらく Sub Eight のほうは更新しないでほうっておこう・・自分と向き合う静かな時期を過ごしたいものだ。

残置ハーケン・・「危険」と「困難」の違い、


滝の落ち口より、山櫻(2009年4月11日 撮影)

このところ僕が通い詰めていた沢の滝(三郎の岩道窪 大滝F1)には、錆びて朽ち果てた残置ハーケンがたくさん打ち込まれていた。何年ぐらい昔のものかわからないが、10年、20年は経っていそうなほど朽ち果てたものがほとんどであった。

なかには、酷いもので頭をハンマーで叩くと、ボキッっとへし折れてしまったり、岩から完全に浮いていて、叩くと横にズズズとズレてしまうようなものもあった。

更に問題は、シュリンゲがついていても引っ張ると抜けるようにただ通してあるだけであったり、ハーケンの穴から抜けていて、シュリンゲがかろうじて「あご」にひっかかっているだけの残置が二つばかりあった。
下から登ってきた者がろくに確認しないでシュリンゲに身をゆだねると、抜けて落下・・となることが見え見えのような残置シュリンゲも二箇所あった。

脆い岩にハーケンの先が2cmぐらいしか打ち込まれていないさび付いた残置ハーケンひとつに身をゆだねてだましだまし登るなどまったく命が幾つあっても足りない・・そのような登攀は愚行である。それに浮いたハーケンはいくらだまそうとしてもだませないものだと思う。

私の場合、いつも独りで登っているので、安全が最優先、・・少しでも怪しげな残置ハーケンは使わないし、使うにしても脇にもうひとつ打ち足して使ったりしている。

ネットで調べたら最近この滝を登ったレポートが載っていた、腐った残置ハーケンに身をゆだねて、自分たちでは一本もハーケンを打ち足さずに・・よくもまぁ残置が折れたり、抜けなかったものだ、たいした度胸だと感心するが、その一方で、これから沢のシーズンを迎えて、ネットで検索してその記事を読んで「それでは俺も登ってやろう!」と思い立ち挑戦する人が出てくるのが怖い。

そのグループは、今にも抜けそうな残置ハーケンに身をゆだねてかろうじて登っただけで、あなたが登るときはハーケンは折れたりひっこ抜けるかもしれませんよ・・と伝えたいものである。

ネットに記録を公開するときは、一回まぐれで登った記録を公開するのではなく、数回通い詰めて残置ハーケンの状況もよくよく安全だと判断して初めて公開するべきであろう。沢登りや、岩登りの場合ましてなおさらである。

三郎の岩道窪 F1


2009年5月1日 撮影

自宅から8キロぐらい、車でゆっくり15分ぐらいのところに戸倉の盆堀川があって、そこには遡行対象となる沢がいくつかある。 どれもこれも遡行距離は短くそれほど山深くはない。

この山域にはいろんなルートで入り込んでいるが、クライミングジムに通うよりも安上がりだし、時間もかからないので私のお気に入りである。言ってみれば私のクライミングのゲレンデのひとつとなっている。

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安・近・短でもピリリと辛い沢

ここのところストレスが溜まりすぎて、胃腸の具合が悪い。精神的にも疲れているのか?昨夜は悪い夢を見た、どうも最近自分は長生きしないように感じることがままある(爆)・・ので、今日は長生きするために多摩川水源の一之瀬に気分転換に行こう!!と、朝から決意をしていたのだが、平日とはいえ連休なので、青梅街道が混んでいる・・。

一之瀬まで、西へ65キロ、道が空いていれば1時間30分で行けるが、混んでいると2時間はかかる。

混んでいる道に、前の車にブツブツ文句を言いながら我慢して運転するのも詰まらないので、一之瀬行きはあっさりキャンセル、軍畑あたりまで行って引き返し、結局近くの戸倉で、滝登りをすることにした。

最近私がよく行く沢のF1、落差25m ここ一ヶ月ぐらいの間に下段(18m~19m)は試登を入れて3回、上段(5~6m)は2回登った。

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盆堀川支流千ヶ沢石津窪遡行、三郎の岩道窪 F1 2009年6月12日

5月の連休後半からほぼ一ヶ月ぜんぜん山に行けず、トレーニングも出来なかったので久しぶりに戸倉の沢でトレーニングをしてきました。
最初はどこに行こうかと迷ったのですが、三郎の岩道窪は食傷気味なので、石津窪にまず入りました。写真は主な滝のみ掲載です。

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三郎の岩道窪 2010.01.15

Ⅴ 三郎の岩道窪 2010.01.15

石津窪の記事で〆るつもりでしたが、4という数は縁起が悪いし、また多少物足りないのでもうひとつ追加しておきます。

思えば去年の春先に一番足繁く通ったのが、この三郎の岩道窪のF1 25m大滝 である。この滝は、上段と下段に別れ、下段は、水流沿いのルートがいまだに登れない・・ルート下部の岩が脆く、ハーケンを打ち込んでもボロボロに剥がれてしまうからである。また、水流沿いは、きわめて滑りやすく、足場の安定感が非常に悪いのも特徴である。私は右手の岩陰沿いのルートを直登する事にしている。こちらのルートは、足場、手がかりとも比較的安定しているからである。 もっとも、こちらとてノーザイルでは登れず、今回も残置ハーケン一箇所を使うとともに、4箇所にハーケンを打ち込んで自己確保をして登った。

11:35 伝名澤沿いの駐車スペースを出発。週末ともなれば、モトクロスバイクが練習にやってくる澤沿いも今日は平日なのでとっても静かである。澤沿いの斜面にはいたるところにバイクの轍の痕が残されている。


11:57 最初の小滝を越えて、久しぶりの大滝と対峙する。ルートを見ても残置ハーケンの類は見当たらず、誰かが登った跡はない、・・やはり正面からのルートは最近は登られてはいないようだ。
今は冬枯れでパッとしないが、新緑の頃はなかなか美しい。

ここで身支度を整えて、12時10分頃に登り始める。


13:05 下段を越えて、上段の滝つぼには、氷の造形が出来ていた。下段を登っている最中、途中で、クロモリハーケンをひとつ誤って落としたので一旦登った後、下に下降した際に落ち葉をかき分けて探したりして時間を無駄にしてしまった。・・貧乏性なので(笑)、ハーケンひとつだって無駄には出来ない(落としたハーケンは無事に見つかりました)。


13:06 上段は、水流沿いではなく左手を巻くように登るのがルートである。水流を跨いで左手に移るにしても水流沿いの岩は極めて滑りやすいので要注意である。


13:23 上段は、ハーケンを使用せずにフリーで登れた。体調が悪いと安全策でハーケンを使うが、今日はまずまずの感じである。例によって例のごとく、ここでも落ち葉がホールドを覆って隠しているので葉っぱを払いのけながらホールド探しである。初めてここにきたときは、左の壁に二箇所の残置ハーケンを確認したがいずれもかなり以前のもので、ボロボロにさび付いていて、ハンマーでたたくと頭が折れてしまったり、岩の割れ目が広がっていてぐらついてしまったりと、あんまり当てにならない代物であった。いずれにしても、岩が乾いておればフリーで登れるところであろう・・。

登り終えて、滝の落ち口で、荷物を整理する。ここから先はハーケンもザイルも不要なルートであるからだ。


13:37 4m~5mほどの滝が五つほど連続している・・これに似たような光景を高萱尾根の滑入沢で見た覚えがある。


13:47 氷の造形・・今日は暖かいので融け出している。


13:55 一つ一つは3級下ぐらいでさほど困難ではない、ただ今は薄い氷が張っており、ランニングシューズでは、時々すべるので要注意であった。


14:06 最後のロート状の滝にて、真新しい鉄製のハーケンをひとつ回収した。この滝は、上部は確かに高度感はあるものの、こんなハーケンを使わなくっても登れよう。3級上ぐらいのグレードである。


14:07 この澤の一番最後のロート状の滝の写真。最上部はちょっと工夫が必要かな?


14:11 澤が荒れ始めたころに、左から仕事道が澤を横切ってきたので、ここら辺で遡行は止めにしてこの仕事道を使って下山することにした。この仕事道は、一昨年の夏にハイカーが迷い込んで遭難事故が起きた道ではなかったのかな?


14:34 仕事道を左にほぼ水平に向かい、尾根に出たら下降して、澤沿いに下って、登り返すと伝名澤の右岸に作られた林道の末端に出た。このあたりは、15年ほど前によく走りに来た区域であり、当時の頃の思い出がよみがえってきて懐かしい。ここまででちょうど3時間である。

石津窪のほうが、遡行者を多く迎えるようだ。確かに、F4 F5 ともに3級上から4級の技術が求められ、またF5は高度感もあるので登りきったときの達成感もある滝である。ただしいささかルートが整備され出来上がりすぎている嫌いがなきにしもあらずである。
その点、三郎の岩道窪のほうは、25m大滝は、人の訪れも少なく、ルートもなかなか困難である(グレードは4級)。しかし、それ以外の部分では、3級レベルの小滝が一箇所に集まっている感じで、今ひとつ精彩に欠ける恨みがある。両者ともに、一長一短があると言った感じである。

さて、五つの有酸素運動のトレーニングを終えて、ウェストも多少引っ込んだような気がしている・・苦笑

いくつかの有酸素運動の記録

ここ3ヶ月は、まったく運動ができなかった。その反面、ストレスが高い生活なので、気分転換にアルコールを飲みカロリーの過剰摂取となってしまった。
例年ならば、歩荷トレーニング三昧の時期なのであるが、今年は歩荷トレーニングは後回しにして心肺機能を回復させ、多少のダイエット効果を狙うために、集中して有酸素運動のトレーニングを行った。

Ⅴ 三郎の岩道窪 2010.01.15 追加

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Ⅰ バイク&トレイルラン(1月2日、3日)

20代前半の頃、登山のためのトレーニングで一番に始めた運動は、自転車に乗って山に軽装で駆け上ることだった。
もちろん、そんな遠くの山ではない、日々のトレーニングとして「使える」山の範囲内である。
この正月は、そんな初心に帰り、まずは自転車とランニングで日の出山を往復するトレーニングを再開した。

20年前は、2時間を切れなかったように思うのだが(もっとも、当時はあまりタイムを意識してはいなかったように思う)、今回やってみたらうまい具合に2時間を余裕で切ることができた。ここ3ヶ月間トレーニングをサボっていたとはいえ、心拍数150~160前後で2時間きちんと運動できる体力が養われていて、それがしっかりと残っていたのは喜ばしいことである。

また、ロード区間では、去年の8月、9月に日の出町ヒルクライムミーティングの練習で自転車の走り込みを行った影響が大きいように思う。
その反面、トレイルの区間では、足運びの感覚を失っていることを痛感した。もっとも、こちらのほうは、むかしとった杵柄であるので、そのうち何とかなるだろうとたかをくくっている。

このコース、自宅から日の出山までは、ロードが10キロ、登山道が約3キロである。ロード区間は、大雑把、標高130mぐらいから、三沢の標高400mあたりまで、緩い上り基調の道が続く。三沢から登山道に入ると、標高差500mの駆け上がりで、最後はあの階段を駆け抜いて・・標高902mの日の出山山頂となる。

ロード区間は自転車でこなし、登山道の区間は、駆け上りでこなす。そして自宅から日の出山を往復する。
もちろん、ダラダラやってはだれるので、それなりのハイペースで行く、大雑把心拍数にして、150~165をキープする。
時間的には、2時間以内で終わらせる。・・2時間以内というのは、それ以上時間をかけると精神的に集中できなくなるような気がしたからである。・・本来、リラックスを狙ってならば、ゆっくりペースでいいはずではあるが、くつろぐのは自宅でというわけである。

そんなトレーニングを二回ほど行った。結果は、大体1時間50分ほどで往復できた。

時間的には、行きのロード区間に35分、登山道に35分と、登山道の区間に時間がかかりすぎている。
これは一言で言うと、ここのところのストレスでいささか過食気味であり現在は体重がありすぎるからである。二年前よりも6キロは重くなってしまっている。再び5キロも痩せると30分を切れるだろう・・・。

とりあえず、中~強度のレベルの運動を2時間こなせる体力は何とかなってきた。
もちろん、まだまだ体重が重いので、もうすこしウェイトを減らす必要がある。

Ⅱ 障子岩沢遡行、鈴ヶ尾沢下降(1月6日)

これは秋川界隈の勝手知ったる私のトレーニングコースのひとつ。ルート的には、障子岩沢は、3級弱で、ノーザイルで登れるルート。(登りに使うのならノーザイルで登れるが、下降路として使うのならば、懸垂下降が必要になってくる・・。)
鈴ヶ尾沢は、途中に三つほどある大きな滝自体は、どれも巻いて下降してしまうので、懸垂下降のためのザイルも必要ないルート。・・もっともこう書いたからといって初心の方が安易に取り付いてもらっても困るが・・。まずは下から遡行してルートを押さえることをお勧めしよう。

今回は、これを2時間ほどで登って、下ってくるという計画で実行した。
 
障子岩沢遡行・・・10:20~11:33 遡行といっても、中流域以上は涸れ沢でありほとんど濡れることはない。

10:20 大岳沢林道末端をスタートし、しばらく登山道を歩いて途中から沢沿いに入る。 途中枝沢に引っ張られて本流を外れそうになるも一年前の記憶を取り戻して、なんとかルートを修正する。このために数分時間をロスした。10:53 障子岩付近を通過

障子岩の風景・・戦前~昭和30年代にはクライミングルートもつくられたそうだが、いまは荒れ放題。5月以降の夏場になると、昼なお暗き状態となり不気味さ極まる。落石が頻発しているようで人の頭ほどもある石がゴロゴロしている。

11:00 このあたりから核心部となる。この沢には残置ハーケンの類はない。困難なところは少ないし、困難と思われるところは比較的容易に巻き道を見つけることができるからであろう。ただ、それも登りにとる限りにおいてであり、下降路にとった場合は、岩がもろく崩れやすい、懸垂下降用に20mザイルがあったほうが楽である。

11:01 二つの岩が重なり合って若干ハングしている・・体重をかけるとこちらに倒れ掛かってきそうで恐いところ。ゲレンデと違って何しろ人が入らないルートだから、慎重に吟味し、見極めないと痛い思いをすることになる。ここの部分は仲間と登るのならば巻くべきところかと思うが、今回は単独なので騙し騙し登った。

11:09 写真では一見平凡であるが、この部分は岩が崩れやすいので手がかり足がかりなど結構不安定。この沢自体、あまり登られてはいない沢である。

11:09 チョックストーン・・ここは技術的には容易、でも内心は、この岩がグラリと落ちてこないかハラハラドキドキである(苦笑)。

11:16 尾根筋が見えてきた。これから先歩きにくい小石交じりの斜面である。

11:33 ルート上の赤テープも5年ほど前はかなり残っていたが今では、ほとんど剥がれていたりして見つけにくい。この沢にはじめて入ったときは下降ルートに使ったのだが、下調べなしでいきなり下ったので初めての下降の時にはかなり苦労したことを思い出す。
最後に崩れやすいガレばかりの斜面を喘ぎながら登ってやっと馬頭刈尾根に出る。雪が融けて氷になっていて、ランニングシューズではちょっとすべる。
立ち木に巻かれたルートを示す赤テープ(2000年ごろの日付が記載されてあったように覚えている)もすっかり色褪せてしまっていた。

11:42 尾根筋の一般道に出て、西に富士見台に向かうと富士山がよく見えた。

これは富士見台より西の展望、御前山、三頭山の向こうに大菩薩嶺、さらにはその北方に、黒川山、鶏冠山らしきものを確認できた。多摩川水源の山々にはここ3ヶ月すっかりご無沙汰である。

鈴ヶ尾沢下降・・・11:45 さて、富士見台で時間をつぶしている余裕もないので迅速に下降開始、写真は途中の20mの滝 12:10頃通過 

切り立った秩父古生層の岩壁、こういう風景に囲まれていると奥秩父の渓谷にいるような気持ちになる。厳しい風景であるが、懐かしい風景でもある。

12:38 無事に大岳沢沿いの登山道に降り立って終了。

※帰路に使った冬枯れの鈴ヶ尾沢は歩きやすいハイキングのような気分である。これで、雪がついて、沢が凍りつくと少しはましになってこよう。

Ⅲ クドレ沢左俣遡行、右俣下降(1月8日)
身体慣らしのための運動として二番目の沢はグレード的にもこの沢が手ごろである。今回は、熟知のルートを使って往復で4時間以内を狙っていたが、実際は、3時間30分ほどで上下することができた。500mlのミニボトルを二本持参したが、水分はほとんど補給せず。摂取は300ml程度にとどまった。

左俣遡行
11:27 神戸岩から大ダワに至る林道途中から仕事道を使ってクドレ沢に入る。最初は仕事道が作業小屋まであるので明確。この沢の核心部ともいえる区間は、徳兵衛滝付近の300m~400mほどの区間である。その部分は、3級程度の岩登り技術で遡行することができる。


12:11 歩きにくい藪のアプローチを30分ほど我慢して、門番の滝を越えて・・、一番奥にあるのが徳兵衛滝


12:15 紅葉や新緑の季節に訪れるとすばらしいと思うが、今回は冬枯れである。


12:23 徳兵衛滝は、左にルートが求められる。木の根を交えた岩登りで滝の落ち口に至る。慣れていればノーザイルで登れるだろう。落ち口から見下ろす。


12:35 規模は小さいものの上部には氷柱を見ることができた。


12:50 ガレの沢歩きもつまらないので左に中間尾根に逃げる、途中から見た御前山が美しい。


13:08 急ではあるが歩きやすい中間尾根を経て大ダワ→大岳の銃走路に登りつめた。

右俣下降

さて、大ダワ→大岳にいたる尾根筋の一般ルートを東に進み右俣の下降に取り掛かる。丁寧に右俣を始めから下降するのも面倒で不愉快なので、小尾根を使って荒れた澤の下降を大幅に省略する。


13:37 小尾根を一気に核心部まで下降。降り付いた沢の風景。


13:39 五郎滝の滝つぼ付近から西に御前山を眺める。


13:39 五郎滝


13:43 これは五郎滝の下にある無名の滝。


14:02 この手前で、8mほどの懸垂下降を一回


14:02 切り立った中間尾根、・・数年前に一度下降した事がある。このときは懸垂下降に継ぐ懸垂下降で・・いったい何回懸垂下降したことやら・・また今度行って見ようかなとも思うが、なかなかその日が来ない。


14:11 ここでは、7mほどの懸垂下降を一回、そして最後3mほどのギャップを下降して(私はここでもご丁寧にザイルを使った)、安全圏に到達する。後は荒れた川原の下りで何の問題もない。今日は右俣での懸垂下降のために20mのザイルを二つ持参していた(7mの懸垂下降の箇所は、20mザイルでは足りず、30mほどのザイルの長さが必要)。


14:55 林道まで戻って・・。お気に入りのパタゴニアのフルジップフリースを記念に撮影。

Ⅳ 盆堀川支流千ヶ沢石津窪遡行(1月11日)
ここ10日ばかり取り組んでいる(主として有酸素)運動の〆は、戸倉の沢登り、これが技術的に一番困難であるし、これまでの3級レベルの岩登りよりちょっと難しい(ハーケンと自己確保用のザイルを使用する)ので、体力が回復してきた身体を岩っぽい事に慣らすのにちょうどいいと考えてのことである。

11:30頃 盆堀川の菖蒲口に車を止めて、千ヶ沢林道を歩く。10分ほどで澤筋が左に急カーブし、そこが石津窪出合いで、そこから澤に下降する。


11:55 F4 去年の2月下旬、ここの下のほうで3m~4mほど滑り落ち、腰と左二の腕を痛めた。数メートルの墜落で命に別状がなかろうと、怪我をしたダメージは大きい。腰のほうは一月ほどの違和感で済み、たいしたことがなかったが、二の腕のほうは、数ヶ月の間、上に手を伸ばすことができず、上着を着るときなど体を動かすにつけて痛みが出た。
今日は、ああだこうだと思い出しながらハーケンで自己確保をしつつ丁寧に登った。岩の状態がよいので、調子がよければ、ハーケンを使わずに自己確保無しで登れるだろう・・。でもまぁ、去年の経験を踏まえ・・今回は、慎重に登った。
それにしても、ホールドを覆い隠す落ち葉があまりに多く、かき出しつつ登るのがかなり厄介であった。


12:36 少々時間をかけすぎた嫌いもあるが、慎重に下段を登って、これは上段、この上段は易しい。


12:47 


12:47 F5 ここ数ヶ月は、山登りもせず、岩登りとも離れていた・・当然、いろんな意味での「感」も鈍っていて、技術的にF5を登るのは今日は無理かな?と消極的になっていたが、いざ来てみると、岩の状態もよく、水量も少なく、さほど冷たくもなさそうだったので撤退せずに登ってみることにした。
(今の時期、沢の水は冷たいのであまり長く岩をつかんでいられない・・。身体に大量の冷水を浴びたらなおさら状況が悪くなる。)


13:35 中段テラスから、下方を見る。

中段テラスまでは、ハーケンを二箇所打ち込み自己確保するとともに、残置ハーケンひとつのお世話になった。慎重にという事で、一度空身でテラスまで登り、そこから懸垂下降し、下においてきたザックを背負って登りなおした。この作業をちんたらやっていたら48分もかかってしまった(汗)。

この滝自体一年ぶりなので、去年あった残置ハーケンがなくなっていたり、ここ二、三年残されていたテラス上の残置シュリンゲが取り払われていたり(ハーケンは残されていた)と、ルートの状況の変化もすこしあった。

今日は岩の状態もよく、ルートの下半分は比較的楽であった。


13:35 さて、中段テラスから、滝の落ち口をみる。・・ここから先が厄介なのである。

問題の中段テラスから先の箇所は・・「安全」に登ろうとすると、足がかりが物足りないところがあって、今日はより確実な支点を求めてあれこれ試みてみた。
今まではいささか強引に登っていたが、ランニングシューズで、水流の中の高さ5ミリほどの滑りやすい足がかりに(だましだまし)身をゆだねるのは、やはり無理があるのではないかと思うようになり、ハーケンを打ち込んで足場代わりにしてみようとしたり、水流右手の壁に逃げ込もうとしてみたり、左の壁のほうはどうか?と、「確実」に登るために四苦八苦してみた。

この箇所、今日は3箇所にハーケンを打ちこみ、自己確保に使った。残置ハーケンは、テラスから上に・・合計6箇所あったが、どれも2年以上経過しているものであり、慎重に確認してから体重をかけねばならない。


14:51 無事に登ったら今度は懸垂下降して、ハーケンとカラビナを回収しながら登り直す。もちろん、トップロープで登りなおすので全然楽で安心感が違う。・・とはいえ、水しぶきを二度浴びることになるので、身体は冷える。ハーケンとカラビナの回収も終えてやっと一休み。・・落ち口には、懸垂下降用のボルト三つとシュリンゲがたくさん残置されていた。


14:51 中段テラスから、滝の落ち口に登り、一旦懸垂下降して、ハーケンとカラビナを回収し、荷物を整理して・・一休みまで、76分ほどかかった。慎重にやりすぎた嫌いもあるが、あれやこれやと確実なルートを求めてのトレーニングがてらだったので、まぁよしとしよう。


15:11 緊張と充実のF5を過ぎると何も問題はなくなる。倒木の詰まった沢筋を詰めて・・最後の滝、このあたりになると、小さい沢の源流の雰囲気である。
時間的余裕がない場合は、F5で終了としても構わないだろう。


15:53 ここ数ヶ月山登り自体から離れていて、岩のほうも久しぶりであったが、墜落することもなく、出合いに無事戻った。
感覚を思い出しつつ登ったので、4時間20分と結構時間がかかってしまったが、今回は安全第一で挑んだし、怪我もしなかったので大目に見てもらおう。

今回は水も持参せず、登攀具しか持参しなかった。4時間20分というのは、今回のリハビリトレーニングⅠ~Ⅳのなかで最長である。ペースは遅いものの、今の段階でも4~5時間ぐらいは楽に動けるようだ。

Ⅴ 三郎の岩道窪 2010.01.15

石津窪の記事で〆るつもりでしたが、4という数は縁起が悪いし、また多少物足りないのでもうひとつ追加しておきます。

思えば去年の春先に一番足繁く通ったのが、この三郎の岩道窪のF1 25m大滝 である。この滝は、上段と下段に別れ、下段は、水流沿いのルートがいまだに登れない・・ルート下部の岩が脆く、ハーケンを打ち込んでもボロボロに剥がれてしまうからである。また、水流沿いは、きわめて滑りやすく、足場の安定感が非常に悪いのも特徴である。私は右手の岩陰沿いのルートを直登する事にしている。こちらのルートは、足場、手がかりとも比較的安定しているからである。 もっとも、こちらとてノーザイルでは登れず、今回も残置ハーケン一箇所を使うとともに、4箇所にハーケンを打ち込んで自己確保をして登った。

11:35 伝名澤沿いの駐車スペースを出発。週末ともなれば、モトクロスバイクが練習にやってくる澤沿いも今日は平日なのでとっても静かである。澤沿いの斜面にはいたるところにバイクの轍の痕が残されている。


11:57 最初の小滝を越えて、久しぶりの大滝と対峙する。ルートを見ても残置ハーケンの類は見当たらず、誰かが登った跡はない、・・やはり正面からのルートは最近は登られてはいないようだ。
今は冬枯れでパッとしないが、新緑の頃はなかなか美しい。

ここで身支度を整えて、12時10分頃に登り始める。


13:05 下段を越えて、上段の滝つぼには、氷の造形が出来ていた。下段を登っている最中、途中で、クロモリハーケンをひとつ誤って落としたので一旦登った後、下に下降した際に落ち葉をかき分けて探したりして時間を無駄にしてしまった。・・貧乏性なので(笑)、ハーケンひとつだって無駄には出来ない(落としたハーケンは無事に見つかりました)。


13:06 上段は、水流沿いではなく左手を巻くように登るのがルートである。水流を跨いで左手に移るにしても水流沿いの岩は極めて滑りやすいので要注意である。


13:23 上段は、ハーケンを使用せずにフリーで登れた。体調が悪いと安全策でハーケンを使うが、今日はまずまずの感じである。例によって例のごとく、ここでも落ち葉がホールドを覆って隠しているので葉っぱを払いのけながらホールド探しである。初めてここにきたときは、左の壁に二箇所の残置ハーケンを確認したがいずれもかなり以前のもので、ボロボロにさび付いていて、ハンマーでたたくと頭が折れてしまったり、岩の割れ目が広がっていてぐらついてしまったりと、あんまり当てにならない代物であった。いずれにしても、岩が乾いておればフリーで登れるところであろう・・。

登り終えて、滝の落ち口で、荷物を整理する。ここから先はハーケンもザイルも不要なルートであるからだ。


13:37 4m~5mほどの滝が五つほど連続している・・これに似たような光景を高萱尾根の滑入沢で見た覚えがある。


13:47 氷の造形・・今日は暖かいので融け出している。


13:55 一つ一つは3級下ぐらいでさほど困難ではない、ただ今は薄い氷が張っており、ランニングシューズでは、時々すべるので要注意であった。


14:06 最後のロート状の滝にて、真新しい鉄製のハーケンをひとつ回収した。この滝は、上部は確かに高度感はあるものの、こんなハーケンを使わなくっても登れよう。3級上ぐらいのグレードである。


14:07 この澤の一番最後のロート状の滝の写真。最上部はちょっと工夫が必要かな?


14:11 澤が荒れ始めたころに、左から仕事道が澤を横切ってきたので、ここら辺で遡行は止めにしてこの仕事道を使って下山することにした。この仕事道は、一昨年の夏にハイカーが迷い込んで遭難事故が起きた道ではなかったのかな?


14:34 仕事道を左にほぼ水平に向かい、尾根に出たら下降して、澤沿いに下って、登り返すと伝名澤の右岸に作られた林道の末端に出た。このあたりは、15年ほど前によく走りに来た区域であり、当時の頃の思い出がよみがえってきて懐かしい。ここまででちょうど3時間である。

石津窪のほうが、遡行者を多く迎えるようだ。確かに、F4 F5 ともに3級上から4級の技術が求められ、またF5は高度感もあるので登りきったときの達成感もある滝である。ただしいささかルートが整備され出来上がりすぎている嫌いがなきにしもあらずである。
その点、三郎の岩道窪のほうは、25m大滝は、人の訪れも少なく、ルートもなかなか困難である(グレードは4級)。しかし、それ以外の部分では、3級レベルの小滝が一箇所に集まっている感じで、今ひとつ精彩に欠ける恨みがある。両者ともに、一長一短があると言った感じである。

さて、五つの有酸素運動のトレーニングを終えて、ウェストも多少引っ込んだような気がしている・・苦笑