☆ 山で死んではならない・・。


ゴンジリ峠付近にて(2007年5月14日撮影)

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トレイルランニングの危険性 2

なぜか、「トレイルランニングの危険性」という記事へのアクセスが多いようだ。そもそもこの記事は、去年5月のTTR-100での高橋香さんの事故の数日前に書いたもので、その後数日して、高橋さんの事故が起こった、事故を受けて私はとても無力であると感じ、残念に思ったものだ。

ここにかかげる記事は、その事故を受けた当時に書いたものです。

「トレイルランニングの危険性」という記事を書いたのが、5月8日、今回の事故が起こったのが12日、世の中トレイルブームで、盛り上がっているさなか、あえて水をさそうといった意図で書いたものではありませんが、書いたときにどのくらい真に受け止めてもらえたのかどうかは謎です。

たぶん、ロムって居られるほとんどの方は「何言ってらぁ~!」ぐらいな感覚だったのではないでしょうか?

有名選手のブログを見ていても、どこそこの大会で何位を取った!!とか、どうすると速く走れるか? 道具(靴、ウェア、ザック)は何がいいかとか?とか、そんなことばっかり書いてあって、私が見た限りでは、「トレイルランニングの危険性」については一言も書かれていませんでした。

たぶん、有名選手としましては、スポンサーやら大会関係者各位に面識があるので、トレイルブームに水をさすようなことは書けなかったのでしょう。(あるいは安全への意識が低いのか?)

あの記事は、当たり前なことなのに、誰も書こうとしない、私はその点、大会関係者に知り合いはない身の上で、誰彼の気を憚ることなく、言いたいこと、書くべきことが書ける身の上ですので、ごくごく普通に書かせていただきました。

でもまぁ、所詮、わたしがここでとやかく書いても無力なものでして、今回のような事故が起こってようやくあれこれ動き始めるのでしょう・・。(いつもながらの後手後手の対応です・・。)

クライミングの雑誌で読んだことなのですが、ヨーロッパやアメリカでは、一日のクライミングを終えて帰ってきた仲間に、「どうだった?(壁を)登れたかい?」とは尋ねずに「(壁を)楽しめたかい?」と挨拶するそうです。

上の話の真偽はともかく、まず日ごろの(週末)トレイルランではトレイルを楽しむ姿勢が、大切でしょう。 そうすると、ゆとりが生じて、事故も減りましょう。

大会を目指して、一定以上の成績を出すことをめざして血まなこになって努力する・・その姿勢は貴重であり、もとより賛美されるべきでありますが、やれ、箱根だ!つぎは丹沢だ!奥武蔵だ!そしてハセツネだ!そのあいだに、TTR-100やらTJAR、ウルトラ・マラソン大会もあったり・・人によっては海外の大会までもある・・では身が持たないでしょう。

トレイルは身体に与える影響が深いので末永く山を楽しめるようには、十分な休養も必要なのです。走り回ってばかりでは、いかに堅牢なエンジンも壊れてしまいます。

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雑感~TTR-100の事故の話を聞いて

・・個人的には、山は危険なところですので、人が死ぬのは当たり前、そんな気がしています。

ヒマラヤ登山などでは、隊の1人が遭難したからといって、その登山を中止するのはナンセンスであって、ようは、仲間の死を乗り越えられるか、ということにあるかもしれません・・。

これは命をかけた闘いなんだから、死んで当たり前だ!!

僕はいつも、そんな気持ちで山に入ります。(もっとも、奥多摩あたりは、それほどシリアスにはなりませんが・・)

そんな戦争みたいなものではない!スポーツだ!余暇だ!という方も居ると思いますが、私は「遊び」のスポーツで山に入る気持ちはサラサラなく、そういう遊び半分な方々とは一線を画すことにしています。

私は、山仲間が死んでも、全く動じないでしょう。 きっと・・。
「トレイルランニングの危険性」なんて記事を書く一方で、もう1人の私は、恐ろしく冷酷で、血も涙もありません・・。

・・というわけで、山は危険なところ、生きて還って来るには、十分なトレーニングが必要。それこそ、軍事教練並みの厳しさが必要です。「アマチュア」の人にはお勧め出来ません・・。

また、秀でた身体能力をもって居られるアスリートの方であっても、ごく普通の一般人に近いメンタリティしか持っていない方には、お勧めできません・・。

その厳しさに耐えられない場合には、山を降りるか、ハイキングに移行するべきでしょう・・。

トレイルランニングの危険性

トランスジャパンに水を差すつもりは毛頭ありませんが、去年の5月8日に書いた記事を上げておきます。また、追補として、去年の試走の疲労が原因で風邪をこじらせて起こった「耳鳴り」について、書き加え、さらに、ichinose.exblog.jp で書いた「トレイルランの虚構性」についての記事を、書き加えておきます。

「トレイルランニングは楽しい!」といった売り文句で、トレイルランニング関連雑誌が出版されている(今になって気がついたけれど奥宮自衛官のブログタイトルと同じ文句ですが、けして奥宮自衛官を批判しているわけはないので念のため・・苦笑)。

されども、一般的には(医学的には、)、健康に良いのは、ウォーキングであり、ジョギングは、あまり薦められてない。ましてや、マラソンなどは、健康に良いといって薦めるお医者さんはいないのではないか?

はっきり言ってトレイルランニングは、街中のジョグやランニングよりもきつい、また不整地を走るので、転んだり、捻挫をしたり怪我をしやすい。山を「歩く」ことよりも、よほど身体にかかる負荷は高い。

街中のウォーキング>街中のジョグ>山道歩き>トレイルランニング

の順で、要するに、身体に与える負荷は、一番高い運動である。
ごくごくありきたりの体力の持ち主にとってはけして「楽しい!」代物ではない。

ただ、雑誌を読むと、そういった「キツイコト」が緩和されて、かっこいいウェアと、機能的なザック、シューズの宣伝・・駄目押しで美しい自然の写真に「もしかしたら、山道を走れるのではないか?」と思うようになり・・、「山を走ってみよう!」と思い立つように仕組まれているから、こういった雑誌は怖い。

以前、新ハイキングの方に伺ったが、CW-Xと、ダブルストック、アミノバイタルがあれば、難コースであっても「自分にでも歩けるんだ!」との根拠がない自信が出て来るそうだ。
同じことが、トレイルランニング雑誌の、宣伝ページによって行われていないか?疑問である。

要するに、山を走るということは、雑誌に書いてあるほどにカッコいいものではなくって、気安く取り組める物でもない、もっと汗臭くって、泥臭いものなんだということ、更に、捻挫とか、怪我や故障が起こりやすい、身体に与える負荷が相当なものであるということ、そういったものをもっと、こういう雑誌は正直に書くべきであろう。

これが、一種の、つくりあげられたトレイルランニングの「虚構性」といえよう。

今日、大学時代の知り合いとトレイルランニングの話しをしましたら、やはりというべきか、トレイルでのハードな追い込みや、過度な長距離、長時間のトレイルランニングがもたらす健康への危険性について、指摘されました。

私も、かねがね、あまりに長く走るのは、危険ではないか?TTR-100 や TJAR のようなレースへの参加は、寿命を縮める恐れがあるのではないか?60歳を超えると身体に不調が起こったり、急性心不全でポックリなどということになるのではないか?・・などと疑念を抱いておりましたが、これまでは無責任に、「まぁ、先はどうなるかわかりませんが、流行っているみたいだから・・いいんじゃぁないの?」と素通りしておりました。でも、決して素通りしてよいテーマではありません、今回は、いい機会ですので、書いておきます。

最近はトレイルブームで、いろんなレースがはやっておりますが、トレイルランニングが内包する危険性について、あくまでも推測の域を出ませんが・・。

★心臓への過剰負荷がもたらす悪影響

★膝や腰への過負荷がもたらす悪影響

上の二点は、ちょっと考えただけで、誰でも思いつく問題点ですので、ことさら説明するまでもないでしょう。

対処策としては、これまでもよく書いてきましたように・・、
☆ある程度のシッカリした身体(筋肉が発達した丈夫な身体、ハードな状況に耐えられる身体)を養う事がトレイルランニングを始める前に絶対必要。ひょうひょろした身体では、当面は速く走れるが、10年、15年もすると身体に不調が起こる恐れあり。

☆長距離レースはほどほどにするべき、毎年毎年自分を過度に追い込むのはよくない。参加するのは、三年に一度にするとか、一年おきにするとか・・。

登山のハナシで、例えば24時間にも及ぶ登山などというものは、そうそう常人が毎年毎年こなせるものではなくって、それなりにトレーニングで鍛え上げた身体と経験があって初めてなしうるものです。また、そういったレベルに達した人でも、毎年毎年こなせるものでもありますまい。

トレイルランニングでも同じことが言えましょう。レースがあるからといって、みんな走っているからといって、安易に、過度に長時間、長距離走るというのは、やはり、危険でしょう。

長距離、長時間に及ぶトレイルランニングの主催者としては、タバコの箱に書かれている文句のように、「あなたの健康を害する恐れがある」かもしれませんと、大会案内のパンフレットに書くべきかもしれません。(今は、まだこういう大会が身体にどんな影響を与えるか、社会的に認知されていないから、書いていないでしょうが、そのうち、身体に与える影響が認知されてくると、書かざるを得なくなるかもしれません。)

実際、人間の体が、100キロとか、24時間に及ぶ運動にどれだけ耐えられるのか、そういったハードな運動が、人生の後半になって、様々な健康への悪影響をもたらさないか?そういった、立証はなされていないと思います。つまり、長距離、長時間のトレイルランニングが身体に悪いと決め付ける事は出来ません。

でも、長距離、長時間のトレイルランニングが内包している心臓や、足腰に与える影響というものは、社会一般の見地から見て、「決して健康によいものでない」ことは明白です。

ヒマラヤの8000mを超える高峰に、無酸素で挑む、といった生死をかけた冒険は、能力ある登山家でも人生のうちに、数回なしうるか否かです。ハセツネも、もともとは、アタックベースキャンプから、頂上に登って、無事に、ABCに帰り着くまでに、24時間かかってしまうこともままあるということを踏まえて、いわば体力養成を兼ねての、山岳耐久レースであったと思います。

要するに、レース自体は、毎年毎年、コンスタントに開催されるでしょうが、身体のほうが、そうそう持つか?そこらへんをよくよく考えておくべきだと思います。長距離、長時間のレースは、ただ、レースがあるから、みんな走っているから、といった単純な動機だけで、参加するべきではないでしょう。身体に与える悪影響などのプラスマイナスを考えて、・・・それでもやっぱり出てみたい、と「決断」出来た方のみが参加されるべきでしょう。

私としては、ゆく末永く、60歳、70歳になっても山を楽しめるようにされてほしいと思います。くれぐれも、トレイルランニングのやりすぎで身体を壊す様な事のないようにされてください。

追補 耳管狭窄症の経験(耳鳴り 2007年11月上旬~2008年8月に回復)

11月上旬 喉風邪を引いて咳が出るなかトレッドミルで、ランニング中(時速15キロぐらい)、突然右耳に耳鳴りが発生する。私はもともと、風邪を引くと、どういうわけか風邪が耳に来て、(ときどき)耳鳴りが発生します。でも耳鳴りになっても今までは、せいぜい一週間で治ったのですが、今回は、完治するまで10ヶ月も掛かってしまいました。

11月中旬 ほぼ同じ週に左耳も耳鳴りが始まる。これから一ヶ月ばかりは、ひどい難聴状態となる。日常生活に支障をきたすレベルの難聴。登山道で、行きかう人の挨拶が聞こえない。沢の音、木立が風にそよぐ音が聞こえない。テレビは、相当なボリュームでなければ聞こえない、などなど。

12月下旬 喉風邪が一段落して、2ヶ月ぶりに右耳の耳鳴りがほぼ治る。しかし、左耳の耳鳴りは、依然続く。

耳鳴りの原因は、耳管狭窄症というやつで、スキューバダイビングをしている人なら判ると思いますが、いわゆる「耳抜き」が出来なくなっている状態です。内圧か何かを調整する機能が不調なのでしょうキーンという金属音が、四六時中聞こえるわけです。

4月、春になり、左耳の耳鳴りは時々回復してきたが、一進一退で、時々また耳鳴りとなる日が続く。トレイルランなどで、下りを思いっきり駆け下ったりすると、翌日は、物凄い耳鳴りに悩まされる・・。

6月に入っても、左耳の耳鳴りが残る。天候の影響もあり、曇りの日は、特に耳鳴りが起こった。耳鳴りがひどいと、精神集中にも支障をきたします。

7月下旬 ようやく、左耳の耳鳴りが消えかかる。

8月上旬 完璧に耳鳴りが消え、完治する。

一時は、これからは補聴器が必要になるのかな?と思ったけれど、何とか治りました。皆様には、ご心配をおかけしました。
kurisukeさんには、医者に行ったほうがよい、とあたたかいアドバイスを何度も受けましたが、今回の病もなんとか医者に行かないで治せました。

人間、勝手なもので、身体が治ると、また無理をしたくなります(笑)。トレイルの長い距離をまた走りたいなぁ・・とも思いますが、再び耳鳴りになるのが怖いし・・。軽装で長距離走ることは、私にはあまり向いていないようで、10年ほど前に、両膝を壊したのもそもそもはランニングが原因でした。で、今度は、山耐の試走の疲れか? 耳鳴りが抜けるのに、10ヶ月もかかってしまいました。

私の場合、登山のためのトレーニングとして山を走るのですが、トレーニングで身体を壊しては、元も子もありません。 ・・今後は、なるべく、過度の長距離ランは避けようと思います。