盆堀川支流 千ヶ沢石津窪 遡行記録


F5 石津の大棚 25m

掲載内容

1 「フェイス・クライミング」 2008年4月5日 遡行
2 「スポーツと冒険の違いとは・・。」  2008年4月29日 遡行

3 「石津窪再遡行」 2009年2月21日 遡行
4 「沢の風景」 2009年2月28日 遡行 3月1日 掲載
5 「四度目の石津窪遡行」 2009年3月18日 遡行


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1 「フェイス・クライミング」 2008年4月5日 遡行

数日前に、いつものようになにげなくこの澤にやってきて下から順に遡行、F4に挑戦したら、いつもは敬遠するところがそのときはフィンガーホールド、フットスタンスともに申し分がなく、リズムよく、ノーザイルで登れた。

その日は勢いで、F5も登る(ただしトップロープ形式でザイルを使用)・・。このときはかなり嬉しかった、何しろ私の場合は、岩は単独で、ザイルを使うにしても自己確保でというアプローチ、全ては自分で処理しなくてはならないから登れた時の充実度も高いのだ。

昨日(土曜日)は、先日登れたのだから、今日も登れるのだろう、初登の時は、登るのに一生懸命なので、ろくにホールドも確認していなかった、で、今日は再び挑戦して、ルート(手がかり、足がかり)をじっくりと確認してみようと言う計画。

ところでガイドブックには、F4のほうが難易度が高く4級とされている。

写真はF4の滝上から撮影、いままでは、ハング気味の壁に抜けそうな木の根元にシュリンゲが巻き付けられており、ちょっと力を入れるとグラグラする代物・・これだけに身を委ねることはちょと出来ないので、工夫して・・、で今日は全くあっけなく登ることが出来た。

問題のF5といえども、既成ルート・・ハーケンが打ってあり、シュリンゲまで通してあり、ルートは見え見え、初見のときは、このシュリンゲの意味は?と考え込む時もあったけれど、トップの確保用か?と考えて今回は、使わないシュリンゲもあった。

落差25mの滝なので、今回も安全のためにザイルを使用するいわゆるトップロープ形式。もちろん理想は、トップロープではなく、ザイルを張りつつ必要最低限の自己確保措置をとって登ること、そのレベルになること・・。

ここ数日は、岩に拒まれていないというか、うまくは表現できないが、岩が(滝が)非常に好意的であったと感じた。リズムよく登ることが出来たと思う、リズムを乱す自己確保のためのザイル操作の時間が惜しいとさえ感じたほどであった。

今の時期は、広葉樹の葉が広がっておらず、沢筋が明るいこと、雨量が少なく、水量が少なかったことなどなどが幸いしたのかもしれない、また、思うに、バリエーションルートの3級レベルに慣れていると、ハーケンが打ってあり、シュリンゲまで渡してある既成ルートの4級ルートは、それほどの困難なく、登れるようになるのかもしれない。

今回、このF4(完全にフリーで)とF5(トップロープ形式でザイルを使用)が登れてかなり満足である。次のステップは、F5を下からザイルを張りつつ自己確保スタイルで登りきること。そして将来的には、F5もノーザイルで登れるようになりたい。

去年だったか、テレビで長谷川恒男が、ザイル確保なしで、数百メートルに切リ立った岩場をグイグイ登っているシーンを流していた、あのレベルは無理としても、すこしはそれに近づきたいなと思っている。

でも、去年の5月に出くわしたアルピニストの方曰く、長谷川恒男は、とんでもなく度胸がよかったとか、腕のあるクライマーが躊躇するようなところを平気で登って行ったそうだ。
確かに、安全のための手段を減らしてゆくアプローチは、度胸あって初めてなせる業であり、その面もあろう・・・・これは技術の問題であるとともに、度胸の問題でもあるのであろう。

?はたまた・・度胸というべきか?無謀というべきか?

長谷川恒男のような登り方は、生きて還れば「度胸がよい」と賞賛されて、遭難すれば、「無謀」と酷評されるのだろう。

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2 「スポーツと冒険の違いとは・・。」  2008年4月29日 遡行


石津の大棚(F5)落ち口にて

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青梅高水を主催したKFCの事故報告の末尾に・・

原因を追究して、来年からは怪我人を出さないようにしたい。常々、「スポーツは冒険とは違い安全が第一」と考えている。

と記載されています。

トレイルランニングは、自然を相手にしたスポーツであるから、自然環境によっては、「冒険」的な要素も多く含まれるようになる。
とくに、ハセツネや、TTRはかなり冒険の要素が含まれる。トランスジャパン(TJAR)に至っては、冒険そのものあるいは、紙一重であろう。

自分が行う行為、スポーツであれ冒険であれ、自分が心満たされるものは何か?何をやってみたいのか? それが出来ると、どんな充実感を味わえるのか・・。
そういったことを見極めること、それが一番大切だと思う。

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五日市の戸倉にある石津窪については、残置ハーケンや、シュリンゲなど、ある程度ルート整備もなされており、いろいろと遡行記録がアップされているようなので、ここに紹介することにします。

石津窪は、F1からF5の大棚まで、いろいろ滝があって楽しい沢である。
滝の難易度も、順々にレベルアップしてくるので、出合いから遡行すれば、ウォーミングアップをしつつ、最後の難関F5に挑める。

F1は倒木が邪魔なので、いつも右から巻いてパスして、深い滝壺を持ったF2から始まる、水流の右手を登る、わずか3メートルほどだが身体を馴らすのにはもってこいである。 最初の感じで、その日の体調がわかる。あまり感覚が、ボケていたら、今日の挑戦は止めにするのが賢明である。
※以前、登りきったところの左壁にハーケンが打ち込んであったが、自然破壊も甚だしいので、取り除きました。

F3は、水線の右手を登る、残置シュリンゲがあるけれど、なんか切れそうな雰囲気なのでいつも使わないで、巻き気味に、登っている。

F4 これは二段に分かれている。下段は、水線の右を登る。以前、自己確保用か?ハーケンが打ち込んであるのを確認したが、このぐらいの水量であれば下段は自己確保無しで登れる。
・・というか、ここで自己確保をしているようなレベルでは、F5を登ることは出来ない。

下段は傾斜が緩いので、フリクションを効かせればうまく登ることが出来るだろう。
もっとも自信がない方、体調がいまいちな場合は無理は禁物、下段とはいえ上のほうで落ちると、無傷ではすまない(それなりの怪我をしてしまう)から、巻いたほうがよい。

上段は、すこしハングしている・・ここは、水流の右すこし離れたラインを登る、1mすこし登ると木の根っこにシュリンゲが巻き付けられており、これをうまく利用する。(もっとも他にもいろいろと登り方があるらしい。)

F5 F4までをノーザイルで、自己確保なしで登ることができて始めて、この滝に挑戦できる資格があるといえるだろう。例えば、F4辺りでまごついて、巻いて逃げていたのでは、絶対にF5は登れない。

F5 テラスにて、滝の落ち口を見やる。今回は水量が相当にあるので、ホールドはともかくうまいスタンスが少なかった。

F5 テラスにて、この残置シュリンゲは、使った方がよい。

今回の道具の一部・・。自己確保といっても極めてシンプル、シュリンゲ数本と、20mザイルひとつだけ。このルートはハーケンは残置のみ使用(既成ルートなので自分でハーケンを打ち込んでグレードを落としてまでして登ろうとは思わない)。

赤線が今回のライン、テラスまで直上しようとするも、阻まれ、登りやすい左のラインを経てテラスに立つ。シュリンゲ回収のための登り返しの際は緑のラインを使った、この緑のラインは、水流に近いため湿っているので微妙ですが、乾いておればかなり登りやすい。(もちろん、実力に合わせて他にいろいろとルートは取れる。)

4月29日の記録

「5mも登るとテラスに立つ」と昔のガイドブックには書いてあるが、体感的には、5mどころではなく8mほどか・・。直上しようとするも、ホールドが少ない壁に阻まれる。以前ここに、ひとつハーケンとシュリンゲが設置されていたが、この間、邪魔であり不要と考えて取り除いてしまったので、今回そのツケを払うことに・・(爆)。

一旦慎重に下降して(登りよりも下降のほうが難しい)、下からルートを見やると左手のラインが使えそうに思えた。

思い直して再び登って、今度は左手のラインに取り付く、水流に近いために湿っており、滑りやすいので慎重に登り、左から廻って何とか無事にテラスに立つ。

ここにいたってようやく、ハーケンが打ってあり、シュリンゲが二つ設置してある。強度を確認した後、両者に対して、自己確保(A B)を行う。
(注 Aがメインザイル 以下、BCDは補助のシュリンゲ)

さて、ここからが核心部、ホールドが少なくなり、おまけに、ここのところの雨により、水量が増加して、シャワークライムとなる。

2mも登ると、ハーケンが二本縦に並んで打ってあり、黒いシュリンゲが渡してある・・意味不明な状況、今回は、ここに、一旦自己確保(C)を行い、先ほどの自己確保ザイル(A)を伸ばす。もうひとつの自己確保(B)は短いものなのでここで解く。

更に1m弱登るとその上、水流左にひとつハーケンが打ち込んであるのを発見、今までは気がつかなかった、天の救いか?

ハーケンの強度を確認した後に手持ちのシュリンゲを渡して、よじ登る。が、さっき結んだばかりの自己確保ザイルが長さが足りず邪魔となり、自己確保ザイル(C)を解き、このシュリンゲに新たに結び直す(D)。
この前後は、水流の流れが激しいうえに頭から水を浴びっぱなし(四月の澤の水はかなりまだ冷たい)、ホールドが細かく、特にフットホールドが悪く下手をすると足が滑りやすい、フットホールドに期待できないので最後は、腕力に任せて強引によじ登ってしまう。

(最近トレイルランニング三昧で、背の筋力がガタ落ちであるけれど、身体を引き上げるだけの上半身の筋力が残っていてよかった・・苦笑)

80パーセント安全圏まで登って、自己確保(D)の長さが足りないので、解く。
滝の落ち口付近は、かなり確実なホールドがあるので、まず気を緩めない限り安心。

今回、自己確保用のザイル(B C D)をハーケンから解くのも頭から水を浴びながらとなり、身体が冷えるのはもちろん、もたもたしているうちに、微妙なスタンスに置いている脚が攣りかけた(苦笑)。自己確保用のザイルの処置がもうすこしうまくさばけたら、迅速に登れたと反省。

無事に登り終えて、写真に見えるザイルは自己確保用のもの(A)。自己確保しながら滝の落ち口まで登って、一旦ザイルで懸垂下降して、途中に置いてきた幾つかの自己確保ザイルを回収しながら、再び登り返すという手法をとりました。

ワルテル・ボナッティが単独で、マッターホルンに登った時のZ型確保の真似です・・(だいぶスケールが小さい苦笑!!)。

帰路、つかの間の満足感とともに・・。

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自己確保について

岩登りの解説書をいろいろと眺めても自己確保をして単独で登るというやり方について触れているものは少ない。
理由は、思うに岩登りはただでさえも危険な営為であり、独り(ソロ)でのそれは相当な腕前がないと危険極まりないこと。
また、自己確保は完全な確保のスタイルではない、とりあえず気休め程度の不完全な確保であるということ。

などがあげられよう、要するに、自己確保というやり方は、ルートが自分の技量の範囲内のレベルであり、万が一のアクシデントを避けるために、気休め程度に確保を行う・・といった補助的な手段であると考えるのが妥当である。

今回は、安全のために、4箇所に自己確保を取りながら登りましたが、ザイルを結んだり、解いたりと頭から水をかぶりながらの作業は、結構堪えました。もうすこし、自己確保ポイントを減らして登りたいものです。そのためには、もっと、技量をあげなければなりません。

ネットで調べると谷川の岩場とかいろいろと登っている方でも、石津の大棚は一応自己確保をして登っているみたいですので、まぁ、石津の大棚は自己確保をしてのぼっても、非難されることはないようです。

もちろん、長谷川恒男さんでしたら、「こんなところはノーザイルだよ!」といって、自己確保など一切しないで、軽々と登られたことでしょう・・。

度胸がいいのか、腕前がいいのか?・・苦笑

自己確保をしないで登るということは、万が一の場合の危険を覚悟して登るということであり。
危険極まりない行為でありスポーツの精神には反しよう。

されど、それはひとつの挑戦であり、そこに厳しさを追求したひとつのスタイルを(自由を)感じることが出来る。

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3 「石津窪再遡行」 2009年2月21日 遡行


注 単独での沢登りや、クライミングはきわめて危険です。初心の方は、よき指導者の下に入渓されるようになさってください。

トレーニングとして21日午後にまた登りに行ってきました。今回は、F5を登るべく、ザイル、ハーケン、カラビナ持参です。F4までは19日にも登ったので、今回はF5だけ登って終了でもよかったのですが、一応、トレーニングとして、下から順番に登りました。


F1 これは小さな滝で面倒なので(いきなりですが)右を巻きます(苦笑)。


F2 で、ようやくスタート、これは右を登ります。ここでその日のバランスの調子が分かります。もたもたしているような時は、身体の調子が悪いんですね。


F3 これは、岩がもろいので、水線からすこし直上して潅木帯に入ります。水線上には、怪しげな残置シュリンゲがありますが、なんかやばそう・・。ハーケンごと抜けそうなので体重預けたことがありません。


F4 遠望


F4 下段 ルートは水線の右、上になって水線を跨ぐ。傾斜は緩いが、滑るとゴロゴロ下まで転がるので慎重に!今の時期はホールドが落ち葉に覆われています。


F4 上段 一般的には、画面右の水が染み出ているラインを登りますが、頼みの木の根がだいぶ傷んでおります。ガイド本によりますとここは4級なのだそうですが、4級ほど難しくはないでしょう。


F5 さて、石津の大棚といわれる25mの滝、概して水量は少なくこんなものです。


F5 これは登って下降したあと、帰りしなに対岸から撮ったもの、登るラインは幾つかあります。


F5 テラスから上の部分・・ここが核心部です。

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F5 今回のルートと登攀記録

F5

さて、石津の大棚F5である。
滝の下にやってきて、ザックを降ろし身支度を始める。

一昨日来たばかり、今日も絶対登ってやろうと意気込んでここまでやって来たわけなんだけれども、ここに至って何故か?慎重になる、あまり闘志が沸かず、一気に滝の落ち口まで登るのは面倒なので、いったんテラスまで登って、そこから、懸垂下降し、その上の部分の道具を背負い上げようかな? などと考えはじめる・・。

それでも、まぁ、とりあえず、20mザイルをダブルにして身に着けて身支度を整え、ゆっくり登り始める・・最初は、坂道のような立って歩けるところ、その後3級となり、5mぐらい?登って、テラスの5mほど下にやってきた、そこで・・なぜか不安になり?ハーケンを一つ打ち込み、自己確保をとる。
そこから更に、2m~3mほど登って、更に一本ハーケンを打ち、自己確保。・・ランニング・ビレイ

テラスの2mほど下に至る。・・一昨日は、ここまでノーザイル、自己確保なしで登ったんだけれども、今日はやけに慎重である。

ここからテラスが実は問題で、直上ルートは、乾燥していて滑る心配がなさそうでよいのだが、ほぼ垂直で、足場が少ないところをハンドホールド任せにエイヤっと身体を持ち上げなければならないのである。
(それが嫌でいままでは迂回ルートを使っていたが、迂回ルートは滝の流れに近いので湿っていてなんか滑りそうでヤバイ雰囲気だった・・。遡行者がいない今の時期は、岩場がぬめっていて危ないのである。)

先ほど打ち込んだ2本目のハーケンの効きがよかったので、多少安心して、ザイルを張りつつエイヤっとテラスによじ登る。ほぼ8割以上登ったところで3本目のハーケンを打ち込んで、テラスへ・・。
(まぁ、落ちるよりはいいけれど、ハーケン乱用は慎みたい!自己反省・・)

そんなこんなで20mザイルをダブルにして、テラスまで登ったんだけれども、滝の落ち口まで、あと10m以上ある・・。自己確保ザイルの長さが足りないので、ザイル末端を高い位置に上げなければならない。あるいは、ザックのなかにあるもう一つのザイルを持ち上げるか・・(そのザックは、滝の下に置いてあるので取りに行くのが面倒だ)。

そのテラスには、横に二つハーケンが打ってあって、残置シュリンゲが二本巻きつけられていた。その古びたハーケンに、カラビナを通し、カラビナにザイルを巻きつけビレイポイントとする、そして一旦ザイルを使ってすこし下降し、最初に打ち込んだハーケンのところまで降りて、ザイル末端のビレイを解除する。(さきほどまでは、ザイルは自己確保用だったが、いまは、いわば固定ザイル代わりに使っている訳である。)

さて、すこし登って先ほど打ち込んで効きがよい2本目のハーケンのカラビナにザイル末端を固定する。本当は、単独の場合、ザイル末端は二本のボルトかハーケンで固定するのが理想なんだけれども、今回は、その上に一箇所、テラス上に二箇所、衝撃を吸収できるビレイポイントを作ったので、これでよいだろうという考えである。

そして、テラスに登りなおし、残りの10mすこしを見据える。・・ここから先、足場が悪くなるのである。
本流の流れているロート状のところに、かろうじて、1cmに満たない盛り上がりが何箇所かある、そんな感じ、ほかに足場はなく、そこにつま先を掛けねばならない。 ハンドホールドも、細かいし、少ない。
ダメ押しで、今の時期の冷たい水流の中を、5mほど濡れながら登らなければならない・・。昔のガイド本には、水流の左がルートだとあるが、どう見ても左は傾斜が立っておりルートになりそうもない。

さて・・まず、テラスの真上にお助け残置シュリンゲA がぶら下がっているので、こいつを使って、横にトラバースして、滝の流れに入る。
カラビナを使って残置シュリンゲA に自己確保用のザイルを通して、バランスを保ちつつすこし登る・・。

2mほど上、滝の本流左脇に、ハーケンが二本、縦に打ち付けてあり、その上のほうに、黒いシュリンゲB が通してある・・これもお助けシュリンゲなんだけれども、同じものが去年もあった、一年以上水を浴び続けていたもので強度は期待できない。
おまけに、2本あるハーケンの一方にしか結わえられていない・・そこで肩に掛けていたシュリンゲを黒のお助けシュリンゲB に通して、延長したシュリンゲB を自己確保用のザイルにつなげる。

とにかく、テラス上の確保ポイントは、2箇所増えたわけだ(シュリンゲBのほうは、あまりあてにはならないが・・)。

おさらいすると、3本打ったハーケンの真ん中のハーケンにザイル末端を固定★し、3本目のハーケンにもザイルを固定、テラス上の残置ハーケン2箇所にもザイル固定、さらに、2箇所、残置ハーケンとシュリンゲA B を使った確保ポイントに自己確保ザイルを巻きつけている。 合計6箇所!
(さすがにこれだけ確保点があれば、ザイルが切れない限り、落ちても途中で止まるだろう・・。)

さて、システムをざっと確認して、お助けシュリンゲB の強度を確かめつつ、慎重に身を持ち上げる。
持ち上げた時にいきなり足がズルッと滑ると、途端にやる気をなくすんだけれども、足場のグリップの感じはよいようだ。

問題は、この先、滝の上までは、5m~6mほど必要なんだけれども、自己確保のザイルが20mをダブルで使っているので、滝の上までよじ登るには、1mほど足りない!ということである(余裕で登りたいのなら、2mほども足りない)。
滝上まで登りたいのだったら、また下降して、テラスの下の一番下のビレイポイント★を解除して、長さを調整しなければならない、でも、それをするのは面倒で、下降するには作ったばかりの二箇所のビレイポイントを解除しなければならなくなる・・。

すこし考えたが、まぁ、今回は滝の落ち口脇まで登れば、オッケーとしよう・・と割り切った。
(そもそもこうなったのは、最初に一回テラスに登ったら懸垂下降して、ザイルその他を持ち上げようと計画していたのであるが、実際は、懸垂下降するのが面倒になり、そのまま登り詰めたからこうなったのである。)

で、一番上のビレイポイント に結んだシュリンゲB を頼りに登り、途中で、微妙なバランスを維持しつつ、更に、縦2本のハーケンに、別なシュリンゲC を通して、より確実な手がかりとした。ただし水に濡れながらの作業なので、手がかじかんできていて、シュリンゲ末端を結び合わせることは出来なかった(危険!)。
(上にも書いたが、シュリンゲB はハーケン一個としか繋がっていないので不安定。また、シュリンゲ末端を結んでおかないと、下手に握って抜ける恐れもある。)

あとは、新しく通したシュリンゲC(末端未処理) と、左右のわずかなホールドを利用して、身を持ち上げ、(・・足場はほとんど役には立っていない。足場は外傾斜していて、かろうじてバランスを保つだけ)、1m弱も登ると、水流左に確実な手がかりを得る事が出来、もう一歩登ると、滝の落ち口のすぐ下の左脇についた。80パーセント安全圏に到達。

もうあと40~50cmで、座れるくらいの安全圏なので、ここでビレイを解除して、滝上まで登ろうかな?とも考えたが、いかんせん、姿勢が岩にへばりついたままで無理なので、ビレイ解除は諦めて、ここを最高到達点として、下降することにした。
テラスから上は、絶えず冷たい水が身体に当たり、・・手がいい加減かじかんで来ていて、早めに降りたほうが安全という考えもあった。

下降は、慎重に、まずは、一番最後に通したシュリンゲC を外して、更に、黒いお助けシュリンゲB に結んだシュリンゲを外して・・テラス上のお助けシュリンゲA を頼りにテラスまで戻り、そこでお助けシュリンゲA も解除・・。

あとは、テラスから懸垂下降で、滝の下まで下降。
途中で今回打ち込んだハーケン3本は全部回収した。

(上の記録には、細かいところで記憶が定かでないところもあります、正確に再現できていないところもあるかもしれませんが、ご容赦下さい。)
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REVIEW

テラスから10mすこしで、滝の落ち口であるようだ。
ザイルをもう少し長いのを使うか、ザイル末端のビレイポイントを上げれば何とかなるだろう。

テラスまで今日は、安全を期して、ハーケンを3本も打ち込んだが、ハーケンを打つのなら、難易度が上がるテラスから上のパートで打つべきだろう。テラスから下は、比較的容易であり、ハーケンを打ってもせいぜい2本というところだろう。
大して難しくもないところでハーケンを3本も打って、微妙なバランスが要求されるテラスから上では、残置ハーケンを利用して、新たに自分では一本も打っていない・・。

身体に疲れが残っているような、そうでないような?微妙な状況だったが、無事に登ることができた。
すこし、安全に配慮しすぎたかな? 時間もだいぶかかってしまった。

今の時期、テラスから上の水線に沿ったルートは、4級はあるだろう・・。冷たい水、ぬめってわずかな足場、少ないハンドホールド、傾斜も立っているし高度感もある。

このくらいの滝は、もう少し、あっさりと登りたいものだが、あっさりと登れるルートは、易しいルート(3級以下)になるから、こんな感じでいいのかもしれない。

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4 「沢の風景」 2009年2月28日 遡行 3月1日 掲載


土曜日(28日)、週半ばに痛めた左膝の具合はなんとかよくなったが、この写真を撮るあたりから今度は腰が痛くなって来た(爆)。


というわけでこの日は尾根筋まであがらずに帰路に着く、10日ほど前に痛めた腰(尾てい骨)にこぶが出来て、今日(日曜日、3月1日)は一日中安静に・・。


トロール社製 ウィランス シットハーネス
年代物だけれど、これで十分!いまだ現役!


先週登りそこねたF5は完登!
されどF4下段で4mほど滑り落ちて再び腰を痛める(以上は、土曜日、2月28日のお話)。

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5 「四度目の石津窪遡行」 2009年3月18日 遡行

F5   石津の大棚  2月28日撮影

今回、敢えて4度目の遡行をしたのには、前回(2月28日)あんなつまらないところでコケルのでは技術に危ないんじゃぁないのか?と多少テクニカルな面で不安になり、基礎的なところを再確認しようという狙いがあった。

前回滑ってころんだF4下段に関して・・この滝は3級ルートだということで、「ノーザイルで登れないと恥である。」という固定観念に取り付かれていたようです。

たとえ、3級ルートであっても岩の状態、水温によっては、4級以上になるわけだから、あくまでもガイドブックのグレードは参考程度にとどめて、その日のルートの状況に応じて怪我をしないように登るのが賢明な選択だと考えます。

単独での遡行の場合は、ましてなおさらです。

今シーズンの経緯

2月19日に、F2~F4まで遡行 F1は無視 F5はテラス下でトレーニング・・帰路に緩い滑で滑って、腰を打つ(苦笑)。
2月21日に、F2~F5 主な滝は全部遡行 F1は無視 ・・この時点で、全部単独で登れたのでひと段落をつけてもよかったが、F5の登りかたが気に入らなかった(すこし慎重に登りすぎ、手間のかけすぎ、滝の落ち口まで至らず)ので、28日に再挑戦することに・・。
2月28日に、F2~F5 遡行 F1は無視 F4下段で滑ってF4は巻く。F5も楽に登る、でも滑ったときに再び腰を打ち、尾てい骨の痛みでしばらく静養するはめに・・。

3月18日、尾てい骨の痛みも回復したので意趣返しに(?)、締めくくりで ここの F1~F8 めぼしい滝は全部遡行する。

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3月18日の記録

 ↓ F1 なんでもない滝ですが、今回、ラストということで登ってみました。ぬめっていてちょっと滑りますね。

 ↓ F2 いつもはこの滝からスタート・・ルートは右上、三点支持が出来れば何とかなると思いますが、ハンドホールドが甘いので、不慣れですとここでこけて滝壺に落ちるでしょう。小さい滝ですが、落ちるとダメージありそうです。

帰りに眺めた F1 と F2 ・・こんな感じです。

 ↓ F3 これは水流沿いは滑るので水流沿いに登ったあとに上部のつめでは滝の落ち口ではなく右手の潅木に逃げるのが安全でしょう。水流には腐ったハーケンに痛んだシュリンゲが付いております。

 ↓ F4下段 前回はこの下のほうで滑りました。緑の苔があるところのすこし上、木の枝が落ちているところあたりかな?
水流に寄りすぎていたのと、前日に降った雪のために水が冷たく手がかじかんでいて握力が低下しハンドホールドが甘かったのが原因だったようです。岩も全部ぬめっていて状態が悪かった・・。
左足が滑ると同時に、パーンと落ちてしまいました。 登りはじめてすぐのところ、これから本番かな?とルートを見上げたら滑り落ちるんですから、気を抜いていたんでしょうね。

今回は、二の舞は御免だったので、気休めにハーケンを二本打ち込んで登りました。この滝をハーケンを打ち込んで登るのは初めてのことですが、怪我をするよりはましということで・・。
打ち込んだハーケンは、滝の落ち口から懸垂下降して回収しました。・・もう少し乾いているならノーザイルで充分でしょう。草鞋とかでしたら、グリップがよいので、自己確保など不要でしょう。

 ↓ F4上段 ここは容易、問題なし。ルートは、画面右の立ち木の根っこがあるライン。

 ↓ さて、ここは2月19日に滑ったところ、このようになんでもないところで滑ったのです。こんなところで転ぶとは思わないでしょ?

 ↓ F5 さて、石津の大棚といわれる25mの滝ですが、さすがに3回目となると、緊張感も和らぎます。今回は、前回滑ったF4下段をいかに安全に登るかがテーマでしたので、ここまで無事にやってきて、いささかやっつけ仕事気味かな?

 ↓ この滝は水量が少ないのですが、姿形はわたし好みです。でも、この一ヶ月で4度も来ていますので、ルートにはすこし飽きてきたかな?今回は、仕上げと言うことで、なるべく簡単かつ確実に登ってしまう計画でした。

取り付きはいつも通り、乾いている右のルートを登る、今回はハンドホールド、フットホールともに感触がよい、もちろん、一つ一つのホールドを確認しつつ慎重に登る。それでもあれよあれよと、テラスの下まで登ってしまう。
このままえいやっと、テラスに登ってもよかったが、安全のためにハーケン一つ打ち込んで自己確保その①、そして直上・・。
フットホールドには落ち葉が被さっているので、結構危ない、テラスの上がり口は二段になっていて、下のほうのとばくちでまた微妙な体勢の中、ハーケンを一本打ち込んで自己確保その②、えいやっとテラスにのし上がる。

テラスまでに、今日はハーケンを二枚使用する。
岩の状態が悪かった前回(2月28日)は、テラスまでに5箇所もハーケンを打ち込んだのを思えば、今日はいかに岩の状態がよいかが分かる。

テラス脇にある、シュリンゲ2本つきの残置ハーケン二箇所にアンカーをとってテラスから一旦懸垂下降して、打ち込んだ二本のハーケン、及びシュリンゲを回収する。

 ↓ F5テラス にて、滝の落ち口を見やる。ガイドブックには、上部では水流の左がルートだと書いてあるのですが、左はちょっと立っていてグレードが高いですね。
わたしはいつも、水流沿いに濡れながら4m~5m登って、最後の最後で、左に抜け出ます。これが一番安全かなと考えます。

難易度としては、テラスから上のほうが高度感もあるし、水流沿いのクライムとなりまともに水を浴びるので、結構厳しいが、テラスから上には残置ハーケンが、水流に沿って3箇所、残置シュリンゲも一箇所、さらには、アンカーに使えるシュリンゲつきの残置ハーケン2本がテラス横に設置されていて、これ以上手を加えることは不要なほどにお膳立ては完璧に整っています。

(今まで、テラスから上では一本もハーケンを自分では打ち込んだことがありません。もちろん、きちんと確認して残置を利用しています。)

今回はメインザイルを一本にして、ハーネスにつないだ自己確保用のシュリンゲを二つ使用しました。確保点は、メインザイルが、アンカー(テラスにある横に並んで打たれた二つのハーケン)と、水流中の残置ハーケン一箇所、自己確保用のシュリンゲは縦に二つ打たれた残置ハーケン二箇所それぞれにつなぎ、合計四箇所。此のくらいなら設定に時間もかからず簡易に登れると思います。

以下、概略です(記憶に前後行き違えがあるかもしれませんのでお含み置きください)。

まず、二箇所ある残置ハーケンにカラビナを通して、それぞれハーネスに結び自己確保をし、手がかりがないのでいきなりA0で身を持ち上げます。
そして、左足は水流左にある斜めのお皿ぐらいの厚さの出っ張りに求めます。・・この足場には全体重を掛けられません。右足は水流の中の出っ張りにかろうじて止めておきます。
ハンドホールドのほうは、これまた平べったい水流左手の岩に求めるのですが、足場が滑ると手のほうも滑りそうです。

左足で残置ハーケンの頭を踏んづけて更に一歩・・なんですが、このときの右足の置き場が・・どこにもないんですね。とりあえず水流右手に置きますが、長く足を置くには無理っぽい危険な足場しかありません。

ここら辺はハンドホールドもあいまいなままで上に行けば何とかなるんじゃぁないの?といった感じです。
もし手がかりがないときはクライムダウンしなければならないんですが、ちょっとあのクライムダウンは難しいですね。

そういった感じで、危険な賭け?を数手行い、途中で、二つの自己確保シュリンゲも長さが足りなくなるので途中で解いてしまいます。
水流左手に半身を持ってゆき、左手の岩にへばりついて何とか安全、その体勢で身体の重心を上にずるりと持ち上げて、ほぼ安心。となります。
(いいたくないけれど、このとき右のホールドにうってつけと思われる岩がいまにも抜けそうでグラつきました。あの岩には注意しないといけません。)

さて、今回も滝の落ち口まで無事に登りつきましたので、一旦、懸垂下降してテラスまで戻り、アンカーを解いてメインザイル、途中に残してきた自己確保用のシュリンゲを回収します。トップロープ状態で再び登り返して、登攀終了です。

もうすこし、確実にカッコよく登りたいのですが、いつもこんな感じですね。ハーケンを打ち足せば、もっと楽になるかもしれません。また、私はいつもランニングシューズで登っているのですが、グリップ性能は劣りますので、草鞋を使うともっと安定するのかなとも考えます。登りかえすときに、残置ハーケンの効き具合を確認し、効きが甘かったものを打ちなおしておきました。水流脇の縦二本のハーケンは、多少効きが甘くなっていたようです。

さて、F5を終えて、満足感とともに先に進みます。

 ↓ F6 右を登ります。直登もできるでしょう。

 ↓ F7 これは右を登ります。

 ↓ F8 もう何の問題もないゴルジュですね。

 ↓ ここまで来るともう終了となります。左岸に仕事道(踏み跡)がありそれを下ります。

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