モリ尾根 2005年11月27日


一之瀬林道から眺めるモリ尾根(2005年11月上旬撮影)

・・さてお待ちかねの、モリ尾根です。
日原のタワ尾根はその昔、スズタケでもの凄かったらしい・・。モリ尾根は昔のタワ尾根のようなスズタケの生い茂る尾根なのであろうか?そんな 恐いもの見たさ の心情も手伝って、今回のモリ尾根登高となりました。
モリ尾根をご存じでない方に一言で申しますと、モリ尾根というのは竜喰谷、大常木谷に挟まれた尾根です。尾根上にきちんとしたルートはなく踏み跡程度のものが途切れ途切れに奥秩父主脈縦走路まで続いています。
モリ尾根には江戸時代以前に竜喰谷の金鉱から採掘した金鉱石を精錬する場所があったそうです。セイレンバ尾根という尾根の名がいまでも残っています。ルート的にはこのセイレンバ尾根からシナノキノタルまでに、江戸時代、明治、大正、昭和初期のルートがあったようです。
今回、モリ尾根は初見ですが、登り口は竜喰谷遡行の際に、確認済でした。

今回は藪尾根に造詣が深い新ハイキングのtakigoyamaさんにご一緒いただきました。また、先の大常木谷遡行で大活躍されたShimadaさんも、この尾根を登り切るだけの実力を持ったメンバーとして不可欠でした。

以下は、大まかな行動時間です。

0730 武蔵増戸駅
0830 竜喰谷出合い附近
0900 徒渉、モリ尾根登攀開始
1040 大常木林道シナノキノタル
1200 モリ頭手前の笹原(追記 Shimadaさんの記録ではモリ頭のピーク1224に通過とのこと、よってモリ頭手前のなだらかな笹原を1200頃と訂正します。)
1330~1400奥秩父所脈縦走路に到達、休憩
1430 主脈最高点到達
1500 主脈縦走路へ戻る
1540 牛王院平経由
1640 三之瀬経由
1710 竜喰谷出合い帰着 


徒渉&モリ尾根取り付き・・今の時期の徒渉は身を切るような冷たさである。5分も素足で徒渉するならば、指先が凍傷になってしまうでしょう。
今回は前回竜喰谷を登ったときに見つけたルートを登った。最初の滝を高巻く手前から尾根に続くルートである。
シナノキノタルまでのルートは急ではあるが、ルートは比較的明瞭であり、あまり問題はない。もちろん一部には不明瞭なところもある。モリ尾根もシナノキノタルから下部は、沢登り、つり関係の人も利用するので、踏み跡がしっかりしているのであろう。


登りついた分岐にて、大常木谷からの道があがってきている。

読図と現在位置の確認・・今回同行のお二方は読図に手慣れた方なので、現在位置の確認を終始行っていただき、登山中、迷いはなかった。
もっとも、コンパスと磁石による方法で・・いわば「静的」な現在位置の確認はできても、「動的」なルートのトレースになると、スズタケや風倒木に踏み跡が隠された藪尾根は、地図を見てもルートは追えない・・。それが今回の難しさといえよう。


1400mの主尾根筋に出ると、展望が広がる・・。


晩秋の晴天は静かな山によく似合う。奥秩父主脈が見える。


1532mポイントを通過してシナノキノタル附近にまで登り詰めると、針葉樹が増えてくる。シナノキノタルまでは、1時間40分ぐらいで登れる。一部藪の濃いところもあったが、全体としてさしたることはない。ここまでは計算のうちであった。


大常木林道シナノキノタル・・今年ここに来るのは、3回目になる。


シナノキノタル附近から上部主脈縦走路にかけて、本格的なスズタケの藪がはじまる。2m以上もあり、時に密集したスズタケの中に、踏み跡程度、しかも途切れ途切れのルートを探し求めるのだ。尾根筋に見える盛り上がりはモリ尾根1532mポイント、簡単な杭が打ってある。


尾根の雰囲気は明るいのだが、いかんせんスズタケが登高を邪魔して遅々として進まなくなる。


ルートは藪の中にあり・・正確には藪をかき分けて登って行くのである。必ずしも尾根筋に忠実にルートが登って行くとは限らない。藪の濃いところはトラバースして踏み跡がつけられているところもある。


このように人の姿が見えるくらいはまだましなほう・・。

このあと踏み跡が濃い藪を避けてルートは東にトラバースし、東に涸れ沢を見て直上。西に再び踏み跡が戻ってくる。 傾斜が緩くなり笹原が広がる。南の展望が開ける・・・モリ頭が近いことを察知するも、スズタケの藪はいっそう濃くなるばかり・・。
こういうルートは耐久力勝負。いざとなったら笹をかき分けて、見当をつけて高み目指してかけ登るのが一番である。
このあたりの前後デジカメの電池が切れて、写真がないのが残念。

モリ頭附近に登るまでは耐久力があればなんとか良しとしても、モリ頭(通り過ぎてからそれと分かった)からさきが大変、北側の山腹に風倒木が覆い被さり、そうでなくてもわかりにくい藪のルートを完全にわからなくさせている。
こう云うところは目見当をつけて、目的地へ目的地へ進むのが一番。ただ、かってに進むのではなく、なにかルートがありそうなところに睨みをきかせて進むのである。粘りのある体力と、風倒木と藪に隠されたルートを読む経験が必要になる。


主脈縦走路にて、


山は飛龍山方面が見えた

結局シナノキノタルから主脈縦走路まで、3時間近くかかってしまった。とくに地図上では何ともないような、大した標高差もないモリ頭 から上部縦走路までに90分近くかかった。一部巨大な風倒木が折り重なって尾根筋がまったくつかめなかったためと、ルート後半になって、ペースが落ちてきたことによる。 「モリ頭」も、ここがモリ頭!とはっきりしないままに通り過ぎてしまった。


さて、主脈縦走路から、主脈稜線まで更に進む。再び猛烈な藪かと思いきや、膝ぐらいの軽い藪が一部にあるのみ。


稜線に近くなると、私好みの奥秩父の風景が展開しはじめる・・。


もうじき稜線である。


登りついたところから西の風景、


これは登りついたポイント、暗い森の中。田島勝太郎著「奥多摩」によると、ここを大常木山と指称するのが正しいようである (説明追記)。

この先は主脈縦走路まで下り将監峠を経て牛王院平、七つ石尾根で三之瀬帰着となった。

<注意事項>
このルートは長いルートの上、疲労がたまってくるシナノキノタルから上が核心部分となりますので。なまじの体力では登れません(追記)。
耐久力のある体力と、相当な藪の経験(ルートを見つける能力、経験)とともに、天候をよく見定めて終日好天の日に登るに限ります(追記)。
上部では「平気でルートがわからなくなります」ので、パニックにならないように、経験の浅いメンバー、体力のないメンバーには無理な尾根です(追記)。
このルートは秋から初冬、とりわけ晩秋以降がお勧めです。遠望がきいて現在位置がわかりやすくなります。
今の時期は帰路に暗くなるかも知れませんので、ライトの持参が不可欠です。上部縦走路では数センチの雪があるかも知れませんが、ルート的に問題はないでしょう。
迅速な投降のため、軽装、が大切です。
今の時期は、登っているときは暑いけれど、稜線では気温は0度くらいで寒いので、防寒対策が必要です。車でのアクセスの場合、タイヤはスタッドレスに交換しておきましょう。
モリ頭周辺は、特にわかりにくいので要注意。

全行程通じて、耐久力ある体力が要求される。チームワークも大切、船頭多くして船丘を登るにならないようにしましょう。

<振り返って>
今年は、5月にかずさんとむじなの巣から、大常木林道を会所小屋まで辿り、無名の尾根を岩岳尾根まで登り詰めた。また、10月上旬には同じくかずさん、takigoyamaさんと竜喰谷を遡行し、10月下旬にはShimadaさんと大常木谷を遡行した。
今回は、仕上げ的意味も込めて、モリ尾根を登高した。

まだまだ、この界隈にはやり残したルートが幾つかある、ルートへの慣れもまだまだである。
来年もまたこの界隈に足繁く通って、あれこれ登って行こうと思う。

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