トレイルランニングへのレクイエム

トレイルランニングというスポーツは、北は北海道から、南は、九州、沖縄まで、日本全国津々浦々どこの林道、登山道、ハイキングコースででも行えるスポーツである。フラットな舗装路でなくても構わないという点において、その間口は、平坦なところを走るロードレースよりも広いだろう。ルートとしても、里山のような低山から、南北アルプス、富士山まで、縦横無尽にフィールドを選択できる点で、懐の深さもある。

ところが、トレイルランニングというスポーツの悲劇は、商業主義や、大会とともに流行ったという点である。スポンサーや、大会主催者、一部の有名選手などは、トレイルランニングを自分たちが、日本に広めたと認識し、かれらの価値基準で、かれらの意向に沿った形でわが国に普及せしめようとした。ようするに、トレイルランニングに関する受付、相談窓口は彼等自分たちであると、あたかも自らが主導権を握っている専有スポーツであるかのように考えて宣伝広告したのである。

ようするに、トレイルランニングについて語るには、彼らに御伺いを立て、照会とご了解を得なければいかん、というわけなのである。ここにおいて、トレイルランニングというのは、彼等、商業主義、大会主催者の「はしため」となり、間口も狭められ奥深さも埋め立てられて、実に「みみっちいスポーツ」に堕してしまったのである。

たとえば、うちがスポンサーをやっている大会で優勝したら、コネのある雑誌に掲載してあげるし、今後の活動費を補助してあげよう、とか、私が主催している大会で優勝したら、スポンサーを紹介してあげるし、この世界で食っていけるように業界にコネをつけてあげよう、とかいろいろやって来た。(と、同時に、そうしたスポンサーや大会主催者が苦労して育て上げた有名選手以外の者がトレイルランニングについて大っぴらに語ることを制限し、あるいはこれを潰そうとした。)

その結果、大会の隆盛に応じて、うまい具合にスポンサーや主催者、及び彼らの意向に従う有名選手の「覇権」は出来た(もっとも、今ではこの「覇権」自体が、インターネット上の仮想現実である感を強くしているのだが、、)。しかし、・・その見返りに、わが国のトレイルランニングは大会が開催される関東周辺でしか流行らない局所的なスポーツとなってしまったのである。これは、裏返せば、そのいわば踏み台となった大会に参加する選手が、関東周辺に限られていて、その影響力もその範囲内でしか及ばなかったからに他ならない。

いまでは、「トレイルランニング」と書くとなにか軽薄にして浅はかな印象さえも感じられるが、そうなってしまうのもそれがスポンサーや、大会主催者、それと一部有名選手の身銭を稼ぐ場であり、かれらのけち臭ささえも反映する等身大のスポーツでしかなくなってしまっているからである。

私は、山を昔から走っているけれど、一度も大会に出たことはなく、大会に出ようなどとも思わない。私は、昨今流行?の(大会出場に重点を置く、競技志向の高い)トレイルランナーではなく、彼らと同族に見られたくもない、今後、彼等とは一線を画することにしたいと思っている。

付録 トレイルランニングの主催者と著名選手、及び有力スポンサーの相関図

石川弘樹氏が、独自路線でハセツネCUPの系列や影響力を離れつつあるのは明確であるが、群馬のトレイルランナーを中心とするTEAM EASTWIND系の選手達は、何らかの形でいまだハセツネCUPの影響下にあると考えられる。

Advertisements

Kommentare sind geschlossen.

%d Bloggern gefällt das: