初速を高め、それを維持せよ! ①「初速を高める」ことについて、

日本山岳耐久レースで優勝するためにはなにが必要か?
優勝とまではいかずとも、上位を取るにはどうするべきか?
といった問いは、私にとって、究極の課題でした。

優勝できる能力が、登山の実践にとって好ましいものであるならば、登山を志す私も日々のトレーニングをその方向に持ってゆかねばならないからです。

優勝できるためには、浅間峠までの22キロを2時間30分以内で走りきれねばなりません・・そういうことを為し得る体力というものはどのような特質を備えているのか?そこに至るためには、どんなトレーニングが必要となるのか?・・これが、究極の課題でした。

そして、ここに掲げる幾つかの記事が私が得た答えです。
たいしたことは書いてありませんし、今までコメントなどで言及した内容に重複するものがありますが、ここにまとめて記載しておきます。

考えをまとめるにあたっては、小河内吉哉自衛官にいただいたヒントが大いに役に立ちました。感謝しています。今年の山耐では、ご同僚の奥宮俊祐自衛官が、優勝されますよう、心より応援させていただきます。

Ⅰ 基本的走力を高めること、5000m走でのタイムを速めること。最大酸素摂取量を極大化すること。そのために、上半身の贅肉を減らして、余分な筋肉を落とし、いわゆるランナー体型に近づけること。

5000mを15、16分で走りきれる者ならば、淡々と走って、コンスタントに2時間40分で浅間峠まで入れる。
この言葉は、小河内吉哉さん、奥宮俊祐さんお二人から伺い、確認した事実です。
振り返って、miyaさん kojikenさん などなど今年サブ12を目指す私の知り合いの方も、昨年の本番や、今年の試走で浅間峠まで3時間15分以内で入っています。ですので、この「5000mを15分、16分で走りきれるほどの走力を備えた選手であるならば、トレイルの技術を身につけることによって、さほど無理なく2時間40分で浅間峠に入れる。」というのは、かなりの信憑性がある事実であろうと考えます。

☆ こんな風にトレイルランにおいては「基本的走力を高める」ことが、すべての基礎なのです。

よって、①5000m走15分、16分台の基礎体力を養成して維持することが大前提となります。

ところで、5000mを15分、16分台で走りきれるランナーは、どんなランニングクラブにも一人か二人はいるものです。
でも、彼らをいきなり、浅間峠まで走らせても、2時間40分では走りきれないでしょう。つまり、ロードとトレイルは別物であり、ロードの技術はトレイルにさほど通用しないということ。極論するならば、トレイルランニングは、マラソンの延長線上にはないということ。この厳然とした事実二点を素直に認めるべきだと考えます。(「ロードの延長線上にハセツネはない!」ということです。)

そこで次に、②トレーニングは、トレイルでの実戦的な走りこみに中心をおきトレイル向きの全身の筋力バランス、足回りの筋力を養うとともに、トレイルのアップダウンに適した心肺特性に適応変化させる。と同時に、登りや下りを走る”技術”を取得すること。つまり、走りをトレイル向きに特化させることが必要となります。

そして、③5000m15分、16分の「速さ」をトレイルで展開、実現すること。すなわち浅間峠まで、コンスタントに、2時間40分以内で走りきれる走力を持たねばなりません。

☆ トレイルを走りこんで、トレイル向きの足回りをつくりあげ、登りの筋力、下りの技術を鍛え上げて、コンスタントに浅間峠まで2時間40分以内で走り抜けられるほどの「速さ」を修得すること、それが上位集団に位置できるための必要条件です。 


追補  5000m 16分台であること。
小河内吉哉自衛官がおっしゃるには、「(こんな風に)トレーニングは、トレイルが基本です。(一応、5000mは16分あたりで走れるようにはキープして居りますが・・。)」とのこと。

この何気ないひと言から、基礎的な身体能力として、トラック5000mを16分台で走りきれること。ここ大きなヒントがあると直感しました。高速での運動能力のひとつの基準として、トラック5000mを16分台で走りきれるほどの高度の身体能力を備えていることが、浅間峠までのおよそ22キロを2時間30分で行くための第一歩(あるいは「前提条件」)だということです。

最大酸素摂取量
12分走3750m
トラック5000m16分台

このことは、残念ながら、努力・技術の問題というよりも、生来的な高速域での身体能力の高さの問題であると考えます。それはちょうどフルマラソンのトレーニングを如何に努力しても誰もが42.195キロを2時間30分で走りきれるようになれるものではないのと同じです。
ただし、ある程度の素質(最大酸素摂取量の高さ)があれば、体型変化(体脂肪を減らして、上半身の無駄な筋肉を落として、いわゆる「ランナー体型」に近づけること。)を伴う努力の積み重ねと、技術の向上により、浅間峠まで2時間30分というタイムに肉薄することは出来ると考えます。

しかし、いずれにしても生来的ないわゆる走りの「素質」に左右される面が大きく、特にネックとなるのが(先ほどから何度も指摘している)最大酸素摂取量の課題であって、頑張っても5000m走で20分かかる人は、サブ12を狙うのがやっとであると考えます。

逆に言うならば、5000mで16分台をマークできるほどの高速域での身体能力が高い者ならば、その者の頑張り次第で、トレイルランナーとして成功できるポテンシャルを持つといえます。

このことから、トレイルを志すものは、むやみやたらとトレイルでの走りの「技術の修得」に走るのではなく、またむやみやたらと「ロードを長丁場走りこむ」のではなく、自身の高速域での基礎的な身体能力の向上を目指すことが、第一歩となると考えます。

Advertisements

2 Responses to 初速を高め、それを維持せよ! ①「初速を高める」ことについて、

  1. S@toshi says:

    こんにちは
    初めてのコメントです

    かなり興味深いテーマが多くいろいろ考えながら読ましていただいてます

    浅間峠まで2時間40分で行くには5000mのタイムで15分、16分台でというテーマですが、僕自身昨年は浅間峠まで結構余裕をもって走って2時間43分でした
    5000mのタイムはきちんと計ったことはないのですが、皇居1周(4.95km)で16分半くらいです

    浅間峠までのタイムを上げるためにはどうしたらいいのか少し見えた気がします

    ところで追補の部分なのですが、実は5000mで16分台で走る走力というのはさほど高い身体能力が必要であるとは僕は思いません
    トレーニングさえできればどんな人でも(年齢はどうにもならないですけど)5000mを16分台で走ることは可能な、そのくらい一般的なタイムだと思います
    生まれ持った素質とかに左右されるのは15分前後のタイムあたりからじゃないかというのが実感です

    それを考えると5000m16分台で浅間峠まで2時間40分、ゴールタイム8時間57分(去年の僕のタイム)ってのはそれほど難しいタイムではなく、練習・努力でなんとでもなるタイムなのだと思います

    きっとこれからは5000mを15分台くらいで走れるランナーがどんどん増えて、8時間前半のタイムじゃないと上位に入れないとなるんじゃないでしょうか

  2. silvaplauna says:

    s@toshiさん こんにちは!本番では、地元代表として頑張ってください。もちろん、応援惜しみません!!

    今年は、怪我故障に悩まされたようですが、来年への布石とお考えになればすこしは気持ちも楽になろうというものです・・(他人事だといって気軽にこんな風に書いてゴメンナサイ)。

    小河内自衛官も、5000m16分台キープだそうです。お書きのように、余裕を持って2時間43分ということですので、5000mが15分、16分の方にとっては、淡々と走って2時間40分と言うのは、s@toshiさんのデータからでも裏付けられるのですね(ますます安心!)。

    ・・そうなんですか、5000m16分台というのは、一般的なタイムなんですか?

    お恥ずかしながら、私はトレッドミルの上でも、それほど速く走れません・・せいぜい時速15キロで巡航するのが限界です。(もっとも、もっと体重を落として、脂肪を減らして、あれこれ頑張ればすこしは肉薄できるのかもしれませんが・・私には高いハードルに感じています。)

    きっと、s@toshiさんのような、もともとの素質が高い方にとっては、一般的なタイムなのかな?とも思えるのですが・・。わたしが遅すぎるのかもしれませんね(爆)、追補の部分は足の遅い私を基準に書いておりましたので、修正したほうがいいかもしれませんね(笑)。

    s@toshiさんがお書きのように、5000m16分台というのが、一般的なタイムであるとしたら、続けてお書きのように、サブ9というのもさほど無理なく実現可能なラインとなってきますね(私には到底不可能なんですが・・泣)。

    最後にお書きのように、あと数年もすると8時間台前半で走りきれるランナーがかなり増えると思われます。

    でも、今年はまだ・・さほど増えないような気がしています。記事にも書きましたが、浅間峠まで2時間40分の速さを持った上でさらにトップスピードを8時間~9時間維持できる体力を兼ね備えた選手は、まだまだ育っていないと考えるからです。
    国体の山岳縦走競技だって8時間も走りませんからね・・笑

    小河内自衛官に、ロードを500キロも600キロも走っているのですか?とうかがったら小河内自衛官は坐骨神経痛をわずらっておられ、ロードは15分も走ると、腰が痛くなってくるそうです。
    でも、トレイルは、登りや下り、平坦なところなどいろんな刺激が身体に分散してかかるので何時間でも平気で走り続けることが出来るんだそうです。

    私も、ロードは10分も走ると嫌になるので、この言葉をうかがったときにはまさに、「わが意を得たり!」でした(爆)。

    優勝した相馬選手がロードを500キロ、600キロ走っているとどこかの雑誌で書いたために、相馬選手の真似をして、かなりの長距離(ロード)を走りこんで強くなろうとしているトレイルランナーの方も多いようです。
    でも、小河内自衛官は、トレイルは、走りこむけれど、ロードをそんなに走りこんだりはしないそうです。

    s@toshiさんも来年は、トレイルを走りこまれてください。そのほうがきっと身体に負荷がかからずに故障も起こりにくいと考えます。それに、すでに浅間峠まで2時間40分の「速さ」をお持ちなんですから、あとは、長丁場走りきれる「持久力」をトレイル練で養うだけ・・そうすれば小河内さんのように8時間20分とかで走りきれるのではないでしょうか?

    才能があるのは、素晴らしいことですね。私はどうあがいても、9時間はおろか、10時間も切れそうにありませんが・・。まぁ、私の分は、s@toshiさんのような、若く才能ある方に託すとしましょう・・。

%d Bloggern gefällt das: