「酸素負債」再論

わかり易い例で述べると、日の出山から金毘羅尾根を経てゴールまでは、途中多少の登りもあるけれども、基本的に緩い下りである。

この区間は、下りや平坦な部分が多いのであるから、基本的にそういったところは、追い込んで走るのがよい。ただし途中にある登りは、酸素負債が蓄積されないように、あまり追い込まないほうがよい。この登りで追い込むと、平坦なところや、下りで追い込めなくなるからである。

では、入山峠~市道分岐までの区間はどうか?
この区間は、基本的に「登り」である(正確には、スタートから、三頭山までは基本的に「登り」である)。登りの部分が、平坦なところや、下りの部分よりも多いわけである。
平坦なところや、下りのところで追い込みすぎると。(次に現れる)登りのところで、酸素負債が過大になりすぎる。
よって、ここでは、平坦なところや、下りではあまり追い込まずに抑え、むしろ登りのところで多少追い込んで、平坦なところや、下りのところで、酸素負債を解消するようにしたほうがよいと考える。

最初に述べた金毘羅尾根でのようなやりかた、つまり、平坦なところや、下りで追い込むやり方でこの区間を攻めると、圧倒的に多い「登り区間」、でのペースダウンが著しくなってしまうと考えます。

Ⅰ 最初のまとめ(大雑把な素描として)
つまり、スタート→三頭山は基本的に登り基調なので、登りで追い込み、途中にある平坦なところや、下りでは、登りで発生した酸素負債を解消させつつ多少抑え気味に走る。

三頭山→ゴールは基本的に下り基調なので、平坦なところや、下りで追い込み、途中にある登りは、抑え気味に走る・・。正確には、登りに至るまでの平坦なところや、下りで追い込み、登りは、酸素負債解消にまわす。そして、登りは、抑えて登って、次に現れる平坦なところや、下りで思いっきり走る・・。

大雑把には、以上のように考えられます。もちろんこれには例外があり、

①市道分岐から醍醐峠までは基本的に下りなので、下りで追い込んで、途中にあるいくつかの登りのところは、抑えたほうがよい。
②連行峰から浅間峠までも、基本的に下りなので、対策は①と同じになります。

③大ダワから大岳はどう解釈するか?
あそこは、基本的に登りだから、登りで頑張り、途中にある平坦なところや、下りは酸素負債の解消に回すべきだ、と考えます。

④小河内峠から御前山は?
ここの基本的に登りであるから、登りで頑張り、途中にあるわずかな平坦な区間、下りの区間は、酸素負債の解消に回すべきでしょう。

Ⅱ 第二のまとめ
こんな風に考えると、ルートを、単純に「登り(スタート→三頭山)」と「下り(三頭山→ゴール)」に二分割するのではなく、更に細かく幾つかに区分して、それぞれの区間ごとに、「登り」で頑張るか? それとも、「平坦なところ」や、「下り」で頑張るか? 攻め方を「使い分け」たほうが賢明であるといえそうです。

では、あの・・
⑤鞘口峠はどう処理すべきか?(見晴らし小屋から一気に下ったあとに、きつい登り返しがある区間)
ここは、人それぞれでしょう、登りが得意な人、下りで多少追い込んでいても、登りで、他の人に抜かれるほどのペースダウンはしないと選手の場合は、峠までの下りで追い込んでも構わないでしょう。

登りが人よりも劣る選手の場合は、峠までの下りで追い込むとますます、登りで遅れてしまいます。ですので、下りであまり攻めずに、登り返しに備える策が賢明であると考えます。

おなじことは、⑥大ダワでもいえます。上の③では、大ダワから大岳への登りは登りを攻めると書きました。確かに、登りが強い選手は、御前山からの下りで追い込んでも、大ダワからの登りで、少なくとも他の選手に抜かれることはないでしょう。でも登りが弱い選手の場合は、御前山からの下りで追い込んでしまうと、大岳への登りが大変きついものとなってしまいます。ですので、多少修正して、下りではあまり攻めずに、大ダワからの登りに備えるべし・・と考えます。


・・こんな風に、大きなスイッチバック(下って登って)があるところの処理は、選手めいめいの登りの力量次第でペースの按配を変えてゆくのが妥当だろうと考えます。
登りに強い選手の場合は・・下りで攻めても大丈夫。
登りに弱い選手の場合は・・下りであまり攻めずに、登りに備える。


Ⅲ まとめ

※ルートをいくつかの区間に分けて、各区間ごとに、登りで攻めるか?平坦なところや、下りで攻めるかを「使い分ける」べき!(こういった検討を行うのも試走のテーマでしょう。)
※大ダワ、鞘口峠など大きなスイッチバックがあるところは、自身の登りの力量次第で攻め方を決める。すなわち、登りに強い選手は、下りで頑張り、登りでは、抜かされないように頑張る。登りに弱い選手の場合は、下りで守って、次ぎの登りで、多くの方に抜かされないように頑張る。

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4 Responses to 「酸素負債」再論

  1. suu says:

    silvaplaunaさま、初コメントします。suuと申します。
    ハセツネの記事、今年が初トライの僕にとっていつも参考にさせてもらっています!
    酸素負債の記事、興味深く読みました。ビギナーの自分は到底真似出来ないですが、意識して走ってみようと思います。
    ありがとうございました~。

  2. silvaplauna says:

    suuさま こんばんは!

    酸素負債というのは、判りやすく言えば「息が切れてしまう」状況のことです。
    マラソンランナーは、酸素負債なしで、42.195キロを走りきってしまいますが、トレイルの場合は、ある程度の速さを目指す場合、(下りや平坦なところだけでなく)「登り」で頑張らざるを得ず、そうすると大なり小なりの「息切れ」が生じてしまいます。

    「登りで歩いて、平坦なところや下りで走る」というのは、誰でも知っている楽なやり方ですが、これだと、よほど最大酸素摂取量がある選手でなければ山耐でサブ12は難しいと考えます。登りで歩いて、下りで走って、浅間峠まで4時間以内で行けるわけがないからです。

    ですので、登りですこし追い込んで、無理をしてでも速さを求めよう、酸素負債が発生するのを積極的に捉えて、何とかやりくりしてゆこうという考えなんです。

    でも、16時間完走とか、17時間完走を目指される方の場合、「歩きとおせばよい」訳ですので、酸素負債の発生なしで全ルート堅実に「歩きとおす」のが賢明だと考えます。

    微力ながら、suuさまご夫妻のご健闘をお祈りさせていただきます。

  3. suu says:

    silvaplaunaさま こんにちわ。
    昨日、初めてハセツネルートを下見してきました。西原峠まで行ったのですが、正直きつかったです!今回のコース下見で、上りが弱いのを実感しました。僕の場合、ご指摘の「下りは攻めすぎず上りに備える」走りでいこうと思います。そうしないと、後半が潰れると思うので..。
    MY blogのお気に入りに入れさせていただきました~。今後ともよろしくお願い致します。

  4. silvaplauna says:

    suuさま こんばんは!

    リンクしていただきありがとうございます。こちらも、本家(甲武相山の旅)のほうにリンク設定させていただきました。
    じつは、こっちに貴ブログのRSSを表示しようと何度かやっているのですが、gooとの相性が悪いらしくうまく表示されません(?)。

    こちらこそこれからも宜しくお願いいたします。山登りに慣れている人は、登りに強く、逆に平坦なところに弱い傾向があるようです。suuさんはフルマラソン4時間以内との事、でしたら、(お書きのような)得意な平坦なところや、下りは淡々と走り、次にくる「登りに備える」アプローチが賢明だと私も考えます。
    初挑戦で、いきなりサブ12達成はなかなか難しいところもありますが、なんとか一分でもそれに近づいてください。

    そうそう・・松浦真由美さんに似ている(・・と思ったのは私だけか?)、奥方様にも宜しくお伝え下さい(謎笑)。

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