☆ トレイルレースにおけるダブルストック(2ポール)の効用~ 追補 ダブルストックの再評価


ストック使用の是非については、私は当初、ストックはゴールタイムが遅い人が使うものであるという意見をとっておりましたが、今では、ストックの効用を再評価しております。以下、前半は最初のころの記事、後半は、最近の考えです。

峰さん、こんばんは。ハセツネ関連のさまざまなブログを見ていると、完走の為にはストックを利用することが大きな助けになる記事を見つけました。
言われてみると、ストックや木の枝の助けを借り必死になってゴールへ向かう参加者の写真をよく見かけます。
素人の質問(ハセツネ及び本格登山は未経験)ですみませんが、それほど有効な助けになるものなのでしょうか?
またストックには、グリップの部分が直角に曲がりT字になったものや、普通にまっすぐなもの、先端部にスプリングが入りショックを吸収するものなど様々な種類のものがありますが、どのようなものが薦められますか?変な質問で申し訳ありません。

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写真は、去年のハセツネのものです。時間は、6時半過ぎ、場所は日の出山。スタートから15時間経過です。このくらい時間が経つと誰でも脚の筋肉が疲れてきます。ですので、急な登りや、下りにストックは有効です。上半身の力を使えるからですね・・。

でも、もっと速いランナーの場合、13時間前後の方の場合、ストックは不要でしょう。ペースが速いと、ストックを使うのが余計な手間となります。脚の着地地点のほかに、ストックの着地先も考えなければならないからです。

ストックはまた、その分荷物は増えて、ザックからはみ出して、かさ張ります。

これが必要になってくるのは、ゴールするのに15時間以上掛かりそうな方の場合でしょう。15時間かかるということは、それだけ、脚筋、身体がトレイルでの長時間の連続行動に不慣れだという事です。そこで、疲労がたまった脚をサポートするものとして、ストックが有効かなと思います。
でも、試走されて、kurisukeさんが、13時間前後で何とかなりそうと判断されれば、ストックは不要になろうかと思います。

個人的には、握りがまっすぐなもので、アンチショックシステムが入っていないものが、ダイレクトに身体を支える事が出来て、使えるかなと思います。もちろん軽量で堅牢である事が必要です。ストックも持ち慣れないと、かえって余計な気を遣い疲れるものですので、十分に、使いこなせるように使い込んでおく必要があります。私など普段使わないので、かえって気を遣い、疲れてしまいます。

もちろん、十分に速い方でもストックを使っている方を試走のときに見ました。でも、優勝された韓国の方や、鏑木さんなどは使っていないようですので、究極的にはストックは不要なのでしょう。

以上、ご参考まで・・。

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追補 ダブルストックの再評価

脚で走り回るランニングと違って、山登りというのは、手を使う場面が多いものだ、岩登り、沢登りは言うに及ばず、尾根歩きだって鎖場などでは手を使う。
私は、そんな風な山登りが好きなので、上半身もきちんと鍛えている。
だから、速く走らんがために、上半身の筋肉を落とそうという発想そのものに違和感を覚える。
ところが、上半身をきちんと鍛えると、上半身にも筋肉が付いて(筋肉が付けば脂肪も付くので・・)、身が重くなり、体型的にもランナーの理想からは外れてくる。当然、ランナーとしての理想の体重や、体型を持っている選手のようには身軽に速く走れなくなる。

さて、そこでだ・・。
身が重い人(上半身にもしっかり筋肉がついている人)は速く走ることを諦めなければならないか?というと、(フルマラソンにおいてはそうかもしれないけれど)トレイルランニングにおいては諦めるのはまだ早い。

トレイルランニングに限らず、登山とは、「自分の身体にある筋肉を効率よく使って、山に登り、降りる。」ことに尽きる。
もし、上半身に使える筋肉があるのならば、それを有効に活用しない手はない。

山に登り、降りることを「脚に付いた筋肉によってのみ行おう」というのは、上半身の筋肉を使わないという点において、資源の有効な活用がなされていないように考える。

制約がある陸上競技(マラソン、駅伝、短距離走などなど)と違って、トレイルランニングは、制約(ルールによる制約)が少ない。

上半身についた筋肉を有効に利用する手段としての「ダブルストック」は、「自分の身体にある筋肉を効率よく使って、山に登り、降りる。」という点からは、トレイルランニング(特に長距離のそれ)において有効であろう。

ダブルストックについては、拒絶反応を起こす人(特にランナー)も多いと思うが、私はランナー出身ではないので、よい作戦ではないかなと最近思うようになった。

例えば「ハセツネ」を脚によってのみ走りきってやろう!という考えは、ランナーのプライドのなせる業であるかもしれないが、ダブルストックを用いたほうが、そうでない場合よりもよいタイムを出せるだろう。

例えば、脚のみに頼って13時間ゴールの人でも、ダブルストックを用いることによって、後半に疲れが出る事をセーブできて、サブ12を容易に達成できるのではないか?と考えている。

ハセツネはレースであって、タイム(=結果)が全てであるという面もあるから(実際、ブログなどをのぞくと、ほとんどの人は、完走タイムを気にしている。)、ダブルストックの是非についての方法論をとやかく言う前に、「勝つための選択としてのダブルストック」も、ありなのではないかなと考えている。

ダブルストックというと、道具に頼ってる!と批判されそうだけれども、それを言い出せばきりがない。全身のポテンシャル 特に上半身の筋肉も有効に使って山を走るといった見地から考えるならば、ダブルストックというのは、合理的な作戦であろう。

※ 先日の雲取山登山で、ダブルストックを用いましたが、脚への負担が減り、下りの時に脚に疲労が出なかったので、しっかりした三季用登山靴&六本爪アイゼンにもかかわらず快適に飛ばせました。  ルート後半への疲労を軽減することが出来ると考えます。

※ 普段のトレイルでは、ストックを使わずに練習して、ここぞのレースの時にダブルストックを用いれば、効果があると考えます。

※ ダブルストックの効果は、レースが長丁場のものであればあるほど顕著に現れてくると考えられます。

※ これまでは、ダブルストックというと、ゴールタイム15時間~20時間以上の選手が使用する道具であるといったイメージがあったように思いますが、もっと速い選手が、サブ10やサブ12を達成するための手段として再評価されてよいと考えます。

ダブルストックのアポロギア(apologia 弁明・弁解)

全身にある筋肉をくまなく駆動力に変換してゆこうとするならば、ダブルストックというのは、必然的な選択だと考える。
車にたとえるならば、ダブルストックはいわば、4WDであり、その昔 Group A のSkyline GT-R が連戦連勝したようなものである。

パワー・ウェイト・レシオを向上することが出来、着地衝撃を全身に分散して吸収できることになる。

利点

登り、下りのスピードアップ 特に 下り に顕著

肉体的、心理的な「疲労」の分散~怪我・故障の予防にもなる

ランナー以外のスポーツ選手(skier トライアスリート 各種競技スポーツの選手)に有利

問題点

選手同士の接触事故の恐れあり

ルートを傷ませる恐れあり

総括

トレイルランニングがランニングの延長線上にあり、平坦なところで育ったランナーが有利だとしたら、競技としての間口が狭く、面白みに欠けることでしょう。

ダブルストックを上手に使うことによって、いろんなジャンルで活躍しているスポーツ選手もトレイルランニングで活躍できる道が開けます。(もちろん、基礎的な脚力や登り、下りの技術が備わっている事が大前提ですが・・。)

いろんな競技の選手が、トレイルランニングに参入してくると、面白いなと思っています。

たとえば、日本山岳耐久レースで使うとするならば、浅間峠以降になるのですが・・。

パートタイム4WD的に

1 西原峠からの三頭山の登り→三頭から下って 鞘口峠からの登りかえしの区間

2 小河内峠→惣岳山・御前山の登り&大ダワへの下降の区間

この二箇所でダブルストックを使うことによってもだいぶトータルの疲労が違ってくると考えます。疲労が違ってくれば、その分 飛ばせるわけです。

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参考までに・・。ハイキングでのダブルストックの是非について論じた記事です。(注 リンク先のホームページの改変により、現在はリンク切れとなっているようです。)

2ポールを使ってみませんか 小笠原 啓峰

情報提供は takigoyama 様

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