ハセツネ・トレーニング指標 1~4  ルート短縮率

ハセツネ・トレーニング指標 1  「距離」 

ここでの、距離は、もちろんトレイル(登山道)の距離です。平地走の距離ではないので、あしからずです。

☆男性で、最終的に月走 200キロ 女性で月走 150キロ までこなせると、かなりのレベルではないかなと思います。 実際は、男性で、月走 150キロ 女性で 100キロ 程度でも、かなりいい線いけるはずです。

マラソンを目指した場合のロードの練習距離に比べると、はるかに少ないですが、そこはトレイルですので①走りにくい事(スピードが出ない)、②体負荷が激しい(身体へのストレスが高い)ことから、ロードのような距離(月走 400キロとか)をトレイルで走りこむ事は困難だと考えます。

とはいうものの、実際、月四回の週末で、150キロ走るのはかなり、大変です。ましてや、200キロとなると、毎週末ごとに50キロ走る事になります・・。
逆に言えば、毎週末ごとに50キロ走れるのは、それだけ身体がトレイル走に向いてきたという事で、無駄のない走りができているという事なのでしょう。

最初のうちは、誰でもぎこちない走りしか出来ませんから、月走50キロ→100キロ→150キロ、と身体&走り方をトレイル向きに修正しながら、距離を伸ばしてゆくのがいいと考えます。

もっとも、最終的にと書いたように、追い込み期の話で、年間通して月に150キロ走るのがよいというわけではありません。

☆ルート的には、ひとつの山の一つのルート区間に絞ってそこを走りこむのではなく、万遍なく いろんなアップダウンを備えたルートを走ったほうが、ルートに飽きずに効率がよいようです。

ハセツネ・トレーニング指標 2 「累積標高差」 

登りのトレーニングは、筋力トレーニングのアイデアに似ています。コンスタントに登って、年間を通じて筋力を維持し続けることが大切だと思います。よって、最低週に2回から3回、標高差500m以上の尾根ルートを駆け登って、脚筋の維持、増進を図るのが必須です。
平地を走るランナーではなく、ハセツネ以上の大会を目指すようなトレイルランナーの方の場合は、最低限それだけのメニューをこなさなくてはならない、と考えます。

週に2回から3回、1回あたり標高差500m以上とすると月に累積標高差4000m~6000m、ここでは間をとって、月に標高差5000mを最低でも駆け登るべきでしょう。

もちろん、単に登るだけでは駄目で、心拍一定で、スピードアップ、タイムを計測して駆け登るべきでしょう。

慣れてくれば、それこそ、毎日標高差500m程度は楽に駆け登れるでしょう。でもそのように実力がついてきたら、ハセツネを目指される場合は、なるべく長距離を走って間断なく現れる登りをクリアしてゆく体力を養うという方向に向かうのがいいと考えます。

ハセツネ・トレーニング指標 3  「修正トレーニングとしての筋力トレーニング」 & 食事の話 

・・しばしば、「走りこむことによって、走りに必要な筋肉が選択的に鍛えられるから、走りこむことがよい。」とか、言われますが、その走りこみの過程で、走りに不必要な筋肉がそぎ落とされてしまう可能性があります。

そぎ落とされる筋肉は走りには不必要かもしれないけれど、走り以外の場面では必要な筋肉かもしれません・・。

いずれにしても、走りこみは、長距離の負荷に耐えられる身体をつくる上で大切でしょうが、一長一短で、それだけやって居ればいいというわけではなくって、走りこみの過程で、削られてしまう恐れがある大切な筋肉を維持するための、修正トレーニングとしての筋力トレーニングが必要不可欠であると思います。

私自身、歩荷トレーニングを安全に行うために、フリーウェイトを使用しての筋力トレーニングは怠らずやっております。

日常生活を送っておれば、それに必要な筋力が養われるかと言うとそんな事はなく、きちんと筋力的なバランスを保った身体を作り上げるのは、三度のメシで、栄養バランスをうまく整えるのが難しい事と同じぐらいに気を配らないとできない事であると考えます。

さて、ハセツネの場合、山を走ってばかりでは、やはり上半身の筋肉が衰えるでしょう。
また、急な下りでは、膝周り、腰周りの強い筋力が必要です。もっとも、背負う荷物はせいぜい4キロほどですので、それほど絶対的な筋力は必要としません。

そういった意味で、中程度の負荷を用いた、持久力維持的な筋力トレーニングがいいのだろうと考えます。
私は、最大負荷の筋力を重視していますが、これは目標がハセツネ以外にあるからです。とりあえず、目標がハセツネでしたら、絶対的な筋力を求める筋トレではなくって、中程度の筋トレで、身体を作り上げるのがいいと思います。

moonさんへのお返事で書きましたが、体脂肪をそぎ落として、筋肉質な身体に仕上げれば、女性でもかなり速く走れると思います。もっとも、そういう身体を作り上げてゆくには、食事からして再検討してゆかねばなりません・・。

食事・・これも大問題ですが、トレイルランニング(雪がない時期での)をすることにポイントを絞るのならば、やはり、体脂肪は少ない方が心臓に負荷をかけないのでよいようです。長丁場のレースでは尚更そうでしょう。

ただ、ある程度の筋力を維持しようとすると、脂肪がやはりついてしまうのはやむない事です。
筋肉を養うにはトレーニングと、十分な栄養補給が不可欠ですが、たいていの場合(私を含めて)、栄養補給をしすぎて、カロリー摂取過多になってしまうからです。ようするに、筋力もつくけれど、脂肪もつくという感じです。

でも、トレイルをはじめたての場合は、走った後は身体のあちこちが、細胞レベルで傷ついて再構成が必要とされているはずですので、十分な栄養補給が必要でしょう。それと、休養です。

蛇足ですが、私は、ここのところ好きなコーヒーをブラックにして飲むようにして以来、体脂肪が2パーセント減りました。間食の制限だけでも、かなり違ってきます。

もっとも、トレイルを走り込めば、自然と痩せますので、最初のうちは、身体をトレイルでの激しい負荷に馴らせることを念頭においたほうがいいと思います。激しい負荷に身体が堪えられるようになってくれば、ランニング一回ごとの消費カロリーが高まり、ちょっと食事制限をすれば、脂肪は減ってしまうでしょう。

ハセツネトレーニング指標 4 「Speed アベレージ時速10キロ」

ハセツネが始まった頃の優勝者に、当時秋川市役所の職員の方がいて、今はもう50代でレースには出ないようですが、この方は、ロードでも、トレイルでも早かった。
この方が現役の頃、五日市街道で何度かすれ違い、その走りを垣間見ましたが、腰が高い、いわゆるマラソンランナーの走りをされておられました。
その走りで、鴨沢から雲取山頂まで確か1時間10分前後で駆け登ってしまうのだから、私に言わせると、とんでもないことです。
何でもこの人は、御嶽駅から大岳山頂往復をトレーニングコースにしていたらしい・・往復2時間だそうです。どう走ると、いったい2時間で、往復できるのか?50分で下るとしても、70分で登らねばならない、70分で登れるか????時速15キロ以上の速さで走れれば、何とかなりそうだけれど・・。

みたけ山山岳マラソンは距離15キロ(実際は12キロぐらいらしいが・・)、優勝する人は1時間で走りきる。つまり時速12キロ、ハセツネの場合は、9キロ~10キロのペースで72キロ走りきれると、優勝できる。
ハセツネルートには、登りももちろんあるけれど、平坦なところや下りもかなりあるので、そういうところでそこそこ飛ばせば、平均時速9キロ~10キロというのは決して神業ではあるまいと思う。

去年の優勝した韓国の方と、鏑木選手は月夜見第二駐車場~第三チェックポイント(およそ16キロ)を2時間3分で走りぬけている。

月夜見第二駐車場→御前山  38分
御前山→大ダワ 25分
大ダワ→大岳山 35分
大岳山→第三チェックポイント 25分

・・とこんな感じであろうか?このタイムは、去年試走のときに、さほど無理をしなくっても出せたタイムに基づいています。
当時の私の体重や、体脂肪率、にもかかわらず、これぐらいのタイムは出せるわけですから、山岳ランナーとして、きちんと方向付けられたトレーニングメニュをこなせば、そこそこ素質のある方でしたら、2時間3分というのは、無理なタイムではないと考えます。

前説でいろいろ書きましたが、ハセツネに限っていうならば、試走や、普段のトレーニングの時は、やはりスピードを重視するのがよく、途中で足が攣って、予定のコースを試走できなくっても構わないから、アベレージ時速10キロの速さで、トレイルを走りこむことを勧めます。(アベレージ時速10キロですから、つまり登りは当然スピードが落ちるわけですので、下りでは時速15キロぐらいで飛ばさねばならないでしょう。)

確かに完走をとりあえずの目標におくのでしたら、いわばLSDペースで、ノンストップランニングを続けるのがベストでしょう。でも、記録を狙うのでしたら、やはり・・スピードが大切なようです。

ハセツネも、次第に高速化されてゆくように思います。

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注!

アベレージ時速10キロというのは、それこそ8時間台完走を目指される方むきです。
12時間以内を目指される場合は、アベレージ時速7キロで十分でしょう。
女性の場合、優勝者が、9時間半ですから、アベレージ時速8キロが実現できれば、優勝が狙えます。

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まとめ、ハセツネ・トレーニング指標

メインのトレーニングとして、「距離」で、とりあえず月走 男性150キロ、女性100キロとしたのは、トレイルランは体負荷が激しいからです。これを「スピード走」で実施します(速さは各人の実力に合わせて)。

補強トレーニングとして通年行うべきものに、
1 坂道登り「累積標高差」月に5000m以上(女性の場合3500mぐらいか?)・・150キロ走で、この基準がクリアされるのでしたら、この補強トレは不要になるでしょう。
2 中負荷、低負荷での「筋力トレーニング」 があります。

トレーニングメニューは、複雑なものでない方が判りやすいし、実施しやすいだろうという事で、と思いまして、上の三つに絞ります。余った時間は、オーバートレーニングを避けるために、「静養」に当てるのが理想でしょう。
少ないかもしれませんが、確実にこなされると、12時間を切れるのはもちろん、それ以上も狙えます。

注!
上のメニューは、ハセツネにポイントを絞っております。ハセツネよりも短い距離の、あるいは長い距離のトレイルランニングを目指す場合には、多少の修正が必要でしょう。 また、冬期登山はじめ、一般登山のためのトレーニングメニューではありません。

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速さの目安  短縮率50パーセント以上である事・・。

トレイルランナーである以上 当たり前ですが、ハイカーよりも 速く なければなりません・・。では、どのくらい 「速い」 と 「トレイルランナー」 といえるのでしょうか?

登山の地図の標準コースタイムがひとつの目安になると思います。これは確か、天気のいい日に、健康な成年男子が、20キロぐらいの荷物を背負って歩いた時間(休みの時間を含まず)てな感じで考え出されています(確かそのようなハナシをどこかで読んだ・・。)。もちろん、ルートによってはかなり甘めのコース時間や厳しいコース時間はありますが、それはさておき。このコースタイムは、普通、よほどの方でない限り、それ以内で登れるものです。

ちなみに、手元にある昭文社の奥多摩の登山地図で、三頭山から五日市駅までの時間を足し合わせると11時間になります。これを、20代~60代の「結構山を登りこんだ登山家」は、大体6時間~8時間以内で余裕で歩けるでしょう・・。 それと、本格的に山をやっていないけれども、いつも軽装で一般ルートの山を歩き回っている「チョロチョロ・ハイカー」の方々もそのくらいのタイムで廻れると思います(荷物はいずれも各自の経験に基づく必要最低限の軽装スタイルです)。

トレイルシューズや、CW-X、オメガリザーバーシステムで武装した「トレイルランナー」としては、もちろんそれより「速く」クリアできなければなりません。端的に言うと・・この下り基調の36キロは5時間半以内でクリアして欲しいものです。逆に言えば、このルートを5時間半以上掛かってしまうのでは、トレイルランナーと呼ぶには値しない!ということ。まして6時間以上掛かってしまっては山慣れたハイカー(チョロチョロハイカー!?)とさして変わりません・・。

だいたい、ナップサックとチノパンの軽装の「ハイカーさん」でさえも、6時間~8時間で歩けるのですから、トレイルランナーたるもの! 5時間半をクリアできねば・・。CW-Xや独自の給水システムが泣きます。

・・ようは、トレイル「ランナー」たるもの・・足の早いハイカーよりも当然速くなければならず・・。

ナップサックで山慣れたハイカー諸氏とどっこいどっこいでは、「山を走る」とはいえないということです。
トレイル「ランナー」たるもの、短縮率は50パーセント以上を常に自らに課して欲しいものです。

ハセツネランナーという名称も今まで、安売りしてきましたが、ゴールタイムで12時間以内を切った方だけに相応しい称号か?!と考えております。

(うーん我ながら厳しいなぁ・・)

注!:私が尊敬する小西政継さんの指導書に、きちんとした重荷では全然山を歩けないくせに、軽装で山をチョロチョロ登りまわるハイカーを「チョロチョロハイキング」と(多少軽蔑気味に・・)表現してありますが、ここではそれに従います・・。

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