長時間連続行動のための覚書 

ごくごく普通の登山家の場合、荷物を背負って8時間以上連続行動すると、さすがに「疲れ」が出るようです。(6時間ぐらいではまだボロは出ない)
その場合の疲れは、適時に食事をしてきちんと栄養補給しても回復しないで、現れる「疲労」で、こういう疲労というものは、「栄養補給では解決しない疲労」であると考えます。

ハセツネでも、スタートして、(スピードにもよりますが)最初の6時間程度はマラソンとかの長距離走の経験者でしたら、問題なく(ボロが出ずに)走れるでしょう。でも、それを超えて8時間、10時間となると「栄養補給では解決しない疲労」が現れると考えます。

このような疲労にいかに対処するか?
このような疲労は「上手く誂られたスポーツ飲料」を飲んで解決するものではなくって、実際に、自分を追い込んで、連続行動8時間以上経過時の疲労の状態に自分をさらすことで、身体が順応してゆくものだと思います。

自分を幾度かそういう状況に追い込んで晒す事で、おのずと、それ以上の連続行動が可能となる。そんな風に考えています。

というわけで、連続行動を10時間、12時間もやろうとする場合には、連続行動のためのトレーニングが必要不可欠です。トレーニングですので、エネルギー枯渇状態に故意に自分を落としいれます。(お弁当など食べるのはもってのほか、トレーニングの意味がなくなります。)

わたしの場合、もう10年以上も昔の話ですが、40キロすこしぐらいの荷物を背負って今のつるつる温泉がある三沢から大嶽山を往復しました。自分を追い込む意味で、持ち物は水と、缶コーヒー二本のみ、弁当なし、当然登るうちに空腹になリますが、それが狙いです。
この頃は体力がなかったので標高差1000m、距離9キロぐらいの登りに4時間~5時間はかかり、大嶽山頂に登った帰路はおなかが減って力が出ず・・下りにもかかわらずそれこそ30m50m歩いては数分休む状態、そんなのを我慢して4、5時間かけて三沢に帰り着きます。(バテて往復10時間かかったことも・・芥場峠にしゃがみこみ汗みどろになってフーフー言っておりました。笑)
そんなトレーニングを積むうちに、自然と8時間、10時間以降の体力がつくようになりました。

上に書いたのは、登山家の場合のトレーニングです。ランナーの場合、別な方法があるでしょう。

また、この頃は、アミノバイタルとか、ヴァームなどのスポーツ栄養補助食品とかはあまり無かったように思います。(ポカリスエットはあったけれど・・笑)
もし仮にあったとしても、多分今と同様に使わなかっただろうと思います。

山で遭難した言い訳が、アミノバイタルが一本足りませんで、行動不能になりました・・。では、(運良く生還できたとしても)警察・消防に笑われます。

話しがそれましたが、ただいえるのは、①ハセツネ試走の時は、自分を追い込むためになるべく栄養補給をしない方がよいこと。(水の補給はフリーでいいでしょうが、それ以外の栄養物の補給は、なるべく必要最低限に・・。)
当然、血糖値が下がり、そのうちに走れなくなるかもしれませんが、空腹に身を晒し長丁場持つ身体機能を作り上げる意味では必要なトレーニングの過程だと考えます。
そして、②なるべく長時間、走ること、疲労による「破綻」が来ないうちに止めてしまってはトレーニングが無駄になると思います。

つまり、山中でもう歩けません、もう走れません状態に、自分を追い込むのです。

こういうトレーニングは、危険かもしれませんが、それに見合った効果を得られると思います。

もっとも、上に書いたのは私の体験に基づくトレーニング方法です。健康に悪く万人向けではないかもしれません。ご参考までに・・ということです。

最高巡航速度

ハセツネに限らず、長時間の連続行動の場合にわたしが大切にしていることは、道半ばで疲れすぎないこと、かといって遅すぎもしないことです。

そのペースの基準はどこにあるかというと、呼吸と心拍数と体調(累積疲労の具合)にあると感じています。(わたしの経験に基づく話しですので、主観的な意見として参考程度としてお読み下さい。)

呼吸と心拍数を整えて、累積疲労を少なく少なく保って行動を続けるのがもっとも無理なく長時間行動できるようです。その基準での速さを「最高巡航速度」と表現することにします。
その速さは、具体的には、荷物の重さや、ルートの状況(登り坂か、下り坂か、平坦地か)、また経験、体力によって違ってきます。

ハセツネの場合、全ルートの半分から3分の2を走ると、おのずと各人なりの「最高巡航速度」がわかってくると思います。

長時間行動のための水と食料について・・。

・・さて、ここまで書いて、ようやく本題に入れます。(上の二つの記事はいわば布石です)

ランナー諸氏の記録を拝見しますと、いろいろな「新兵器」だらけです。わたしはランナーではありませんので、そういった飲み物や食べ物は一切使いません。(以前ジムに通っていたときに幾つか試したことがありますが、効果を体験できませんでしたし。山に行くたびにそういうものを調達するのは面倒極まりないですし、またお金がもったいない。)

基本的に、冬場はパン系(サンドイッチ系甘くないもの、菓子パンは駄目)、夏場はおにぎり等のご飯ものです(冬山はおにぎりは冷えきってしまうので駄目)。それと、ウーロン茶を2リットルほど・・。

別に、こういったものでも、十分、困難な山登りは出来るのでありますから、こういったものでも十分に「山を走れる!(ハセツネふくめて)」と考えます。

では、ここぞの登山やハセツネのときはどうするべきか・・。
要は、血糖値を一定以下にしないようにすることだと思います。空腹になりきってしまう前に、補給すること・・。簡単なことです。

その簡単なことのためには、腹持ちがよい ご飯もののお握り(コンビニのお握りなど)で十分だと思います。

ついでに書きますが、山は非日常の世界ですで、時計を見て「12時だからおなかが減った!」、「夜の7時だからもう飯だ!」というのはいわば都会の理屈です。
空腹というものは、意外と『そういう気がする』といったメンタルな要因に左右されている面が無きにしも非ずです。(何事かに夢中になると人は寝食を忘れるともいいます)

山に入る時は、自分は戦場にいる!ぐらいの心がけで食欲も律して、節食されるのが肝要です。
(事前に普段よく食べておく、・・普段はあれこれよく食べて溜め込んで、山中では減らして、なるべく食べない・・)

ランナー諸氏のWebSiteを拝見いたしますと、実にいろいろな新兵器がずらりと並んでいますので、トレイルランニングを始めたての方は、きっと、「こういうものを食べないと山を早く走れない!!」となどと誤解されるかも知れず、老婆心ながら、「アミノバイタルとか、補給せずとも山は走れますよ」とお伝えしたく、この文章を書きました。

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三つの記事をまとめますと、①長時間走れるのは、長時間走リ続けられる土台となる体力があってこその話しであること。②長時間走り続けるためには、おのずと、最適な巡航速度があること(それは荷物、ルートによって違うこと)。③基本となるのは血中糖分の濃度であり、空腹を感じる前に補給するのが肝要であること。補給するのは、腹持ちがよい古典的なお握りなどでも十分だということです。

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